先日、飲みに誘っていただいた方、
「俺は客から何を言われても、相手を言いくるめる自信がある」
そういう趣旨のことを話していた。
普段は人当たり良く、相手の懐に潜り込むのが上手い。
新入りの私に対しても「良く」してくれる。
その場の空気を読むことがうまい。
適切な言葉を滑り込ませて場を和ませるかと思いきや、うまいこと相手をいじることで場を沸かせることもできる。
そして、話の筋には裏打ちされた理論が隠されている。
話をしていて「この人はすごいな」と感じた。
やはり大きな会社で働くことになると、多くの触発を受ける。
それだけ能力の高い人が多いのだろう。
学ぶべきことだらけだと感じる。
「理論武装力」
私はプライベートでは割と「考えて生きている」方だと思っている。
だけれども、ビジネスではまだまだ考えることが足りないようだ。
上司からは「何を言われてもそれらしく返せるだけの用意をして会議に臨むように」と言われている。
少しずつ理論武装をできるようにはなってきたけれど、専門知識の乏しさは否めない。
おそらく私は話の切り口にはセンスがあるのだろうけれど、脇が甘いのだ。
だから「一点突破型」の人を相手にした時に、相手の土俵で戦わされることになり、言葉に詰まることが増える。
相手にする人たちは管理職クラスが多いから、経験値の差はあるのだろうけれど、それにしても「求められている」役割を全うするためには、力をつけるしかない。
もう少し、自分の型を作ることができるといいのだけれども、
なかなかそこには至らない。
ある程度は即戦力として転職をしたから、求められる水準に達していない部分も多いのだろう。
私はネガティブだが基本的に楽観主義だ。
だから「最悪を想定する」ということが苦手なのかもしれない。
だけれども、ビジネスの世界では、最悪を想定することに命をかける人種が少なくない。
立場が上がれば上がるほど、リスクマネジメントという名の保身に走る傾向は強いのだろう。
だから、最悪の場合も大丈夫だ、あるいは、絶対に最悪のケースにはならないように対策をしていると、そう思わせるだけの話術を求められる。
(実際には最悪のケースを目の当たりにしたらどうしようもないのだけれども)
そういう「だまくらかし」みたいなスキルは、私には足りないところだ。
だけれども、必要とされる以上は、ある程度身につけないといけないのだろう。
自信満々に語り、不安など微塵もないように、「リスク?何それ美味しいの?」とでも言い出さんばかりの様子で話を進めていく。
そして、相手を持ち上げて、あたかも自らの力量で適切な意思決定をしたと思わせないとダメだ。
何を突っ込まれても跳ね返す。
だけれども、相手にははぐらかす印象を与えない。
なんともまぁ、難しいことだ。
武装しすぎて相手を傷つけるわけにはいかない。
しかし、武装しないと相手から傷つけられることになる。
その辺りのバランスをよくよく考えて、ちょうどいいあたりに杭を打ち込む。
それが調整役として求められるスキルなのかな。
大変だけれども、身につけるしかない。
苦労に無駄はないと信じて、先に進むしかないのだ。