「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

人生で一番高い買い物

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多くの人にとって、人生で一番高い買い物は「住宅」だろうか。

はたまた「車」だろうか。

「趣味のもの」や「ジュエリー」だという人もいるだろう。

 

先日、私にとって、この人生で一番高い買い物記録は更新された。

買ったものがなんだったかは、おそらく皆さんの気になるところだろう。

 

それは、形のないものだった。

そして、皆の笑顔を生み出すものだった。

しかし、皆の懐を少し寂しくするものでもあった。

 

察しの良い人ならば、これだけでご明察かと思うが、私にとって人生で一番高い買い物は「結婚披露宴」となった。

 

一括クレジットでうん百万円。

開催時間にして3時間ほど。

冷静に考えると、ものすごく大きな散財だ。

 

もちろん準備期間は長いこと費やしたが、私はこの3時間のために、うん百万円を費やしたことになる。

時間単価は百万円を超えている。

こんなお金の使い方をすることは、後にも先にもこの時だけだろう。

 

これまでお世話になった人たちに対する感謝。

そして、これからお世話になることに対する感謝。

 

ある種の「お約束」でもある、

この結婚披露宴というイベント。

合理化ばかりが進む世の中で、若い世代には徐々に敬遠されつつあると聞く。

 

しかしながら、実際に自分でやってみて、こういう経験は一度してみるのも悪くはないと感じる。

 

夫婦の絆を確かめるため?

両家の親族に対する筋を通すため?

 

それらももちろん理由として大きなものではある。

しかし、「自らがこれから夫婦として相手と生きる覚悟を示すため」ということが、終わってみて感じる私の中での大きな意義づけだった。

 

「結婚披露宴」は形のないものだ。

 

写真や映像として記録には残ったとしても、

終えてから先の人生に形あるものとして、私たち夫婦を支えてくれるわけではない。

 

しかし、このイベントを2人で築き上げたという思い出は、間違いなく2人の中で、その後を共に生きるためのマイルストーンとなる。

 

結婚してから長い年月を経た私の両親。

今回のイベントに際して、自分たちの披露宴の写真を見せてくれた。

それを眺めながら思い出を語る2人の姿は、どこか誇らしげに映った。

 

私たちも数十年後に、自分たちの子供に対して、この日の思い出を語る日が来るのだろうか。

 

私たちは、大きな仕事を一つやり遂げた。

 

これから先も大変なことばかりだろうけれども、結婚披露宴をやり遂げたという、ある種の成功体験は、私たち夫婦の心が離れてしまいそうな時に、重しとなって2人の上にのしかかり、私たちの距離をキープしてくれることだろう。

 

ケチな私からすれば珍しい、

酷くコスパの悪い「結婚披露宴」という人生で一番高い買い物。

その価値は「プライスレス」だから、決してコスパを算出することはできない。

 

もしも、そのコスパを見出すことができるとするならば、これから先、私たち夫婦がどのように時を刻むのか、

それを元手に長い年月をかけて、算出する必要があるのだろう。

 

「人生で一番高い買い物」

 

それを更新する日は来るのだろうか。

そして、その時に隣にいるのが、笑顔の妻出会って欲しいと願う。

 

私の人生は続いていく。

 

私だけの人生ではなくなって、

これから先も続いていくのだ。