「大人じゃないからさ。無理をしてまで笑えない」
ゲスの極み乙女がそんな曲を歌っていた。
ここ最近どうも妻の機嫌が悪い。
体調不良ということもあるが、私の態度が気に食わないようだ。
「甘い新婚生活」とやらは、時とともに崩れ去っていくのだろう。
いつまでも続くことはない。
それは当たり前のことだ。
「大人にならなければならない」
最近よくそんなことを考える。
振り返ると、私は割と「気分が態度に出る」タイプだ。
その性質は、自分が優位に立つ環境であれば、ある程度良い方向に機能するが、フラットであったり、私の立場が低い環境では、良い方向に働くことはない。
そう考えると、家庭で私の立場は低くなる一方なのだろうか。
もっと言えば、妻から見た私の立場は、どんどん低くなっているのかもしれない。
初めは尊重してくれていたけれど、いつまでもそんなに良くしてくれるはずはないのだ。
結婚してからも関係の変化はある。
夫婦になったからと言って、いつまでも出会った頃のような新鮮な気持ちでいられるわけではないのだ。
今はただ、この扱いに耐え忍ぶしかないのだ。
職場でも耐えて、家庭でも耐えて、私の人生は耐える時間ばかり増えていく。
「大人にならないといけない」
人は大人になってからも、大人になり続けなければならないのだ。
大人になって、大人になって、大人になった結果、全てを達観するようになる。
私はそこまでたどり着くことができない。
耐え続けた結果、私はそこまでたどり着くことができるのだろうか。
そもそも「大人」ってなんだろう。