「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

若い頃の傷は芸術に昇華しやすい

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心が柔らかいから形が変わりやすい。

若い頃に受けた傷は癒えたように見えても、

見えないところで疼くのだ。

 

「死にたい」と思うようなこともあるだろう。

「消えてしまいたい」と思うことは何度もある。

そうやってたくさんの傷を作っていくうちに、

傷の痛みに鈍感になっていくのだ。

 

やがて、多少の傷では痛みを感じなくなる。

ちょっとやそっとでは心が震えなくなる。

心が動かなくなると動機を失い、

手足も動かさなくなっていくのだ。

 

「創造的人生の限界は10年」

宮崎駿監督の映画『風立ちぬ』での印象的なセリフだ。

 

芸術とは、作者の内面にあるものを形に表すもの。

作者の中に形として表したいものがなければ、それを生み出すことはできない。

ビジネスのために無理やり生み出したとしても、多くの場合、それは別の人に響くことはない。

 

芸術を生み出すためには、常に心を震わせて、形にしたいものを持ち続けなければならない。

心が動かなくなったならば、過去の遺産で勝負するしかない。

 

若い頃に心を震わせた経験を思い出して、それをツギハギで形にする。

世の中の多くの芸術家は、そうやって作品を打ち出し続けているのだろう。

宮崎駿監督自身も、それを痛感しているからこそ、映画のセリフとして言わせたのだ。

 

そう考えると、若い頃の傷は悪いものではない。

むしろ、いかに傷を集めたかで、人生の豊かさが決まると言っても過言ではない。

痛みを乗り越えた先に、後から振り返ると「いい思い出」だと思える時が必ずやってくる。

 

今はこの世の終わりだと思うほど落胆していたとしても、この世は簡単には終わってなどくれないのだ。

 

私も精神的と身体的に一度ずつ死にかけて、ここまで辿り着いた。

今は今で大変だけれども、客観的に見ると「幸せ」を絵に描いたような状況のようだ。

 

人生とはそういうもの。

当事者である時には気が付かない。

後から振り返った時に、苦労や苦悩や痛みが絶品のスパイスに変わる。

 

生きてみないとわからない。

生き続けて、後になってみないと、

今の苦労にどんな意味があるのかなど、

わからないのだ。

 

必ず意味はある。

そう思えるのが人生だ。

前向きに生きていればいい。