「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

彼女との距離感を見誤った日

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少し反省した。

平日の仕事終わりに会った日のことだ。

 

疲れが溜まっていたこともあり、

少し理性のタガが外れていたため、

私は彼女に対して、ものすごく甘えた態度で接してしまった。

 

私だけが飲酒していたこともあった。

「自分の弱さ」を思いっきりぶちまけながら、

彼女に体を預けて、心を預けすぎて、

少し彼女を困らせてしまった。

 

「今日のますをくんは、疲れているみたいだね」

 

そう言って優しく受け止めてはくれたけれども、

いつもは「頼りがいのある男」を演出している私の、

いつもとは違う姿に困惑している様子だった。

 

手を繋ぎながら歩く私の腕には、

彼女の胸の感触が伝わってくる。

 

私はいつも以上に、その感触を意識してしまい、

「冷静な様子の彼女」に気が付くことなく体を引き寄せる。

 

「このタイミングではなかったのだな」

そう気が付いたときには遅かった。

 

「外でイチャイチャしすぎだ」と言わんばかりに、

うつむく彼女に「ごめん」と告げて、

私は彼女の肩から手を放した。

 

そこからは少しご機嫌斜めな様子。

手を繋ぎながら歩くものの、

彼女から私に体を預けてくれることはなかった。

 

お互いがほろ酔いだった日には、

その日以上に外でイチャイチャしていたこともあった。

だけれども、その日は私だけが舞い上がっていたようだ。

 

気を付けなければならない。

彼女は、私を慰めてくれる道具ではないのだ。

 

その日の私の態度は、

彼女が「甘えさせてくれること」が当たり前のような態度だった。

 

これから先、

一緒に住むようになっても、

お互いの気持ちが常に一致しているということはない。

 

私のほうが「彼女に対する気持ち」が強いこともあれば、

時には彼女のほうが「私に対する気持ち」が強いこともあるだろう。

 

人の気持ちなんてものは、

刻一刻と変化し続けているのだ。

 

だから、先日の私の態度は、

私の気持ちを彼女に対して一方的に押し付けた形になる。

これは反省しなければならない。

 

付き合ったからといって、

結婚したからといって、

彼女が、いくら私のことを頼りにしてくれるからといって、

彼女の心と体は私の所有物ではない。

 

そんな「当たり前のこと」を飛び越えて、

私は彼女のことを困らせてしまったのだ。

 

だけれども、あの腕に当たる胸の感触はズルい。

 

それを感じながら、私はお預けを食らい続けなければならないとは、なんとも耐え難いことだ。

 

やはり、男の性欲というものは厄介なもの。

まだまだ飼い慣らすまでには至らない。

 

彼女は、私のことを「紳士的な人」だと思い込んでいる。

 

だけれども、そんなことはない。

私の頭の中は、「腕に当たるあなたの胸の感触のことでいっぱい」なのだ。

そんなことをぶちまけたら幻滅されるだろうか。

 

抱きしめたい気持ちを抑えて、

唇を重ねたい気持ちを抑えて、

体を重ねたい気持ちを抑えて、

 

私はいつまで彼女に対する欲情を隠しながら、

彼女と時を過ごし続ければいいのだろう。

 

お互いがこじらせすぎた末に結ばれた関係だから、

距離の縮め方が難しい。

 

彼女を傷つけるようなことは絶対にしたくない。

だけれども、彼女だって私との体の接触を求めてくるのだ。

 

あとはタイミングだと思うのだけれども、

それがものすごく難しい。

私の我慢は、いつまで続くのだろうか。