衝撃的なニュースだった。
奈良県での街頭演説中に安倍晋三元首相が銃で撃たれて心肺停止。
その後死亡が確認された。
心からご冥福をお祈りする。
犯人の動機はよくわからないみたいだ。
政治的信条によるものではないという。
故人の功績に触れることは控えるが、このようなことは断じてあってはならない。
命が失われたことに対する憤りはもちろんだが、
公共の場での演説中となれば、言論弾圧へ進む危険性がある。
ある組織に所属していたり、ある思想を唱えているから気に食わない。
主張に対して反対する権利は誰にでもあるのだけれども、暴力的な手段でそれを行うことを認めてしまったら、法治国家としての根幹が揺らぎかねない。
公の場で己の主張をする権利、
選挙期間中にそれを行うことは立候補者に認められた権利だ。
それに付随する応援演説もまた然るべきだろう。
これが日本で起きたことなのか。
あまりにも現実味がなく、いまだに信じることができない。
単に不満の捌け口を探していて、たまたまタイミングが安倍元首相だったのか。
それとも、はじめから安倍元首相を狙ってのものだったのか。
精神鑑定で責任能力なしと判断されることを狙っているのか。
取り調べを行ってもイマイチ主張が見えてこない。
特定団体の差金だとしたら、もう少し情報が出てきてもいいものだから、個人的な好き嫌いで犯行に及んだ印象だ。
3Dプリンタを使って銃を作ったのではないかという情報もある。
犯人は元自衛官だというが、10数年前に3年ほど勤めただけのようだ。
それでそこまでの知識を得ることができたのだろうか。
もしくは、材料さえ手に入れれば、ネットの情報だけで個人が銃を作り出すことも可能となる、ということか。
時代はそこまで進んでしまったのか。
全容はいまだにわからないから不安ばかりが募る。
なんだか、とても暗い気持ちになる。
そして、政治家はこれに萎縮するようなことはしないでいただきたいと思う。
ここから先は、カジュアルに立候補することが減るのだろうか。
命を懸けて演説をして、人生を懸けて政治を行う。
そういう時代へと進むのだろうか。
ステータスのため、経験を得るため、
民間企業の転職であれば、そういう動機も構わない。
だけれども、政治を仕事にするということには、当人にとって、人生を捧げる覚悟が必要だと思うのは私だけだろうか。
事件自体はあってはならないことだが、起きてしまったからには、これを機に日本の政治が前に進むことを、一国民として心から願う。
そして、重ねてだが、犯人に対しては強く憤りを感じる。
このような形で命を奪うことは、例えどのような理由であれ、あってはならないことだ。
本人の意図するところではなかったとしても、
これは紛れもない暴力を使った弾圧だ。
犯人と故人との間に直接的な接点はなかっただろう。
強い憎しみがあったようにも思えない。
単に「気に食わなかったから」
そんな理由で命を奪ったのだろうか。
戦争の引き金なんて、ほんの些細なものに過ぎない。
これが変な方向へのトリガーとならなければ良い。
非常に恐ろしい。
負の連鎖が起こらないことを願う。