祝福されているうちが華だ。
ある意味では、その期間でこれから先、長いことお互いを慈しみ合うための準備を整えなければならない。
祝福されている期間は、
そのためのボーナス期である。
「良かったね」「おめでとう」「お幸せに」
その言葉に後押しされることで、
新郎・新婦は、自分達が側から見て幸せであることを知る。
そして、自分達の選択が間違っていなかったことを実感することのできる期間でもある。
時と共にそれは徐々に減っていき、
やがて、現実ばかりを突きつけられることになる。
そこまでがボーナス期なのだ。
だから、私たちにとって今の期間は大事。
「永遠の幸せ」を掴み取るために、
今だけは相手のことを盲目的に好きでありたい。
今のうちにたくさんの思い出を作って、簡単には離れることのないように、二人の心を複雑に絡ませておかなければならない。
これから先、途方もないくらい一緒に長い時を過ごすことになるのだから。
今くらいは夢を見ていたい。
二人が末長く過ごすための礎を築きながら、
今は楽しく過ごす時期なのだ。
今から先のことばかりを考えてしまうと、
今を大事にすることはできない。
「夢の国」
そう。私たちは今「夢の国」にいるのだ。
疲れた様子でベンチに座っていると、
ほら、ドナルドダックがおどけた様子で近づいてきた。
何やら私のことを励まそうとしているみたいだ。
「チップ&デール」まで近づいてくる。
気がつくと、「7人の小人」たちに囲まれていた。
ハイホー、ハイホーと、騒がしく私の周りをグルグル回り続けている。
みんなが私たちのことを祝福してくれる。
みんなが私のことを励ましてくれる。
私たちが主役。
真っ白なスーツを着て、
綺麗なドレスを着て、
みんなに祝福してもらう。
今だけはそういう時期なのだ。