人は人とのつながりなくしては生きていけない。
しかし、人とのつながりに支配されてしまうと、誰の人生を生きているのかわからなくなる。
バランスが大事なのだ。
それでいて、バランスが難しいのだ。
時代は間違いなくパーソナリティが重視される方向に進んでいる。
「多様性」という言葉が尊重されて、マイノリティの管理が声高に叫ばれている。
裏を返せば、多様性を認めることに対する同調圧力があるくらいだ。
誰もが個性を発揮できることは理想の社会の形であるが、そういう組織を作り上げることは簡単ではない。
リーダー自身が多様な価値観を理解する必要があり、フラットな目線で公平に評価することを求められるのだ。
そうなると、リーダーという立場が割に合わない。
必要以上に大きな責任を負わされて、それに見合わない賃金で働いているケースも少なくないのではないだろうか。
個性を尊重される時代になればなるほどに、それをまとめるリーダーの役割に人気がなくなる。
そういう時代なのだろう。
上を目指すことが、必ずしもリーダーの立場を得ることではなくなる。
そうなると、目指すべきモデルケースを決めることもまた個人に委ねられるのだ。
このまま時代はそちらの方向に振り切るのだろうか。
それとも、どこかでブレーキがかかるのだろうか。
過渡期を生きる私たちは、全方位に守備範囲を広げなければならない。
なんとも難しい時代だ。
私たちはどこへ向かっているのだろうか。