私の勤める会社では、人事・給与制度の改訂を検討している。
給与面での1番大きな変化は、賞与が年2回から年1回に変更となることだ。
これだけ聞くと、業績が厳しいから支給額が半分になるという印象を受けるだろうが、そうではないらしい。
単純に支給の回数を一回に変更するということのようだ。
おそらく変更後は年度末の1回となる。
受け取る側のキャッシュフローを考えれば、回数を分けて夏と冬にもらえた方が良い。
従業員にとって改悪だと思ったが、どうやら税制上のメリットあるようだ。
社会保険料は、1回の給与支給額上限が決まっている。
1回で150万円以上となる分には社会保険料中からないらしい。
例えば、300万円の賞与がもらえるとして(そんなにはもらえないが)、夏と冬の2回に分けて150万円ずつ支給する場合は、どちらも満額で社会保険料を引かれるが、これを1回で300万円の支給とした場合は、150万円を超えた分の社会保険料は免除となる。
単純にこのケースでは、従業員は手取りにして10万円ほどの増につながるようだ。
加えて会社が支払う社会保険料も、この限りである。
おそらく、この社会保険料の支払いを減らすことが、制度改正の思惑なのだろう。
そしてもう一つ。
賞与の支給直後は、退職が増えるタイミングでもある。
この機会を2回から1回に減らすことで、社員が退職を考える機会を減らすという意図があるのかもしれない。
いずれにしても、従業員の手取りを増やしたり、退職の機会を減らすということは、人材確保に苦労をしているということだ。
どこの会社も人手が足りていない。
転職サイトは活況で、売り手市場が続いている状況だ。
これから先は、人が自由に転職を繰り返し、流動的な方向に進んでいくのだろうか。
そうなると、属人的に仕事を回している企業は業務が立ち行かなくなる。
きめ細やかな日本流の仕事のやり方から、ある程度バッファのあるグローバルスタンダードなやり方に、今の業務を合わせていかなければならないのかもしれない。
生成系AIの分野でもコモディティ化は進んでいく。
業務フローで企業が自らの色を出す時代は終わるのかもしれない。
そうすると、武器になるのは信頼の部分になる。
最後に求められるビジネススキルは「人間性」ということだろうか。