気配り以上の優しさ、
そのほとんどは下心でできている。
気配りは人としてするべきこと、
いわば誰に対しても等しく行うべきこと、
たとえそれが嫌いな相手だとしても、
そこからさらに与える優しさには、
「私はあなたに気に入られたいですよ」が隠れている。
異性としての好意だったり、
はたまた立場を守るための打算かもしれない。
その違いはわからないことが多い。
同じコミュニティに属していれば後者かもしれないし、
そうでなければ前者の可能性は高くなる。
でも、誰からも良く思われることに全力な、
「八方美人」という人種はいるもので、
結局はわからない。
そもそも気配り以上の優しさの線引きもわからない。
人の心は複雑で、
取り違えてしまうとエライことになる。
科学技術が発達したら、
決定的な言葉がなくても、
相手の真意を読み取れるようになるのだろうか。
「あれはお世辞です。あなたに興味はありません。」
そうなったら要らぬ期待をしなくて済む。
心を動かされて惨めな思いをしなくて済む。
眠れない夜も減るだろう。
でも全てを合理的に解決できてしまったら、
人がするべきことは空想しかない。
結局は空想に期待して胸を躍らせて、
それを裏切られたり叶えられたり、
人は悩むことから逃れられないのかもしれない。
だけど忘れてはいけないのは、
心から相手のことを思っての優しさもあるってこと、
人と心を通わせる。
生きるということは難しいもの、