結構前のことだ。
たまに通っていた飲み屋のイベントに誘われて、
BBQに行ったときの話、
20代前半だっただろうか。
見た目はとても可愛らしい。
そして気配りができる。
だいぶお酒は飲むようだ。
周りの話を聞くには、相手が途切れないし、
コミュニティの中でも別れては他の男と付き合ったりしている。
そんな女性がいた。
聞いた話では、
どうやらBBQの参加者と付き合っていたけれど、
最近別れたらしい。
私と彼女は何度か話したことがあるかな、
くらいの関係だ。
彼女が私に寄ってきて立ち話をしていると、
しばらくしたら酔った雰囲気で私の肩に寄りかかってくる。
(実際に酔っていたのかもしれないけれど)
普通の男ならばきっと、
ここから「何か」が進むのかもしれない。
だけれども紳士気取っている私は、
「大丈夫ですか?」って、
その態勢のままその子を抱えて椅子に座らせる。
そして隣に座って水を注いで渡す。
もう一度寄りかかってくるのだけれども、
真顔で「大丈夫ですか?」って起こして水を飲ませる私、
しばらくするとつまらなそうに去っていく彼女、
その時の私はもちろんフリーだ。
それに相手に対して女性としての魅力は感じていた。
「何か」の始め方がわからないから、
紳士気取ることしかできなかったのだ。
「そういうとこだよ」って、
そんな声が聞こえてくる。
しばらくするとその子は、
コミュニティ内の他の人と付き合ったらしい。
「とりあえず寄りかかってみる」
相手からすれば「良さげな人」であれば、
誰でもよかったのかもしれないし、
そもそも誰に対してもそんな感じなのかもしれない。
何故このことをほじくり返したかというと、
ここまで露骨ではないけれど、
最近また同じようなことがあったからだ。
またも「魔」の職場だ。
わからないことを聞きたいようだから、
その子の席まで行って教えてあげたあと、
私の寄り道についてくる。
作業をしている時も何となく指が触れるし、
話が終わる頃合いになると、
別の話題を振って引き留めようとしてくる。
今の職場になってからは、
こういうことばかりだ。
それも一人や二人からではない。
何度も痛い目に合っているから、
職場は勘弁してほしい。
お察しの通り、
「モテて困る」って、
自尊心を満たしたいだけの記事だ。
結果は何も出ていない。
「腐れ童貞」の私、
だけれども、
「チャンスがないわけじゃないんだよ」って、
「私は異性として好意らしきものを向けられているんだよ」って、
そんな哀れな「心の叫び」とでも思ってもらえたら幸いだ。
「かわいいな」って、
胸が高鳴るような相手に対しても、
いろーんな「リスク」やら「めんどくささ」が真っ先に浮かぶ。
先のことを考えると、
進む気も失せて、
ただ「かわいいな」で終わる。
それ以上は「心が動かない」のだ。
ブログの初期に書いたけれど、
漫画『恋と嘘』
政府が少子化対策のために、
遺伝子レベルで適正な結婚相手をあてがう世界、
そこで「心が求め合う相手」と「遺伝子の惹かれあう相手」との間で揺れる。
そんなラブストーリー、
初めのほうをかじっただけだから、
今はどうなっているのかは知らないけれど、
「自分の相手は自分で選ぶ」みたいな、
概ねそんな筋書きだろう。
筋書きはさておいて、
もうさ。
この世界のほうがいい。
随分前から私はそう思っている。
科学の力でいいからさ。
強制力が働いていいからさ。
思考停止でいいからさ。
もう一番合う人を紹介してよ。
遺伝子レベルでマッチングした相手だから、
お互いが「一目惚れ」からの絶妙な「居心地の良さ」
妙齢になるとその後の関係の進め方まで、
政府が手取り足取り面倒を見てくれるのだ。
もうさ。
「これがいいな」って思う。
恋愛ほどコスパの悪いものはないのだ。
もはや「恋愛不適合者」の私は疲れてしまったよ。
そのくせ「結婚」はしたいと思うのだから、
始末に負えないな。