「できない」とか「わからない」とか、
誰かのそういうことに対しては、
あまり怒りは湧かない。
よほど切羽詰まっていなければ、
何度でも丁寧に教えるし、
それでもわからなければ、
わからない箇所を理解しようと務める。
「道徳的にどうなのか」
問題はそういうこと、
「裏切り」だとか、
「不誠実」だとか、
「不当に楽をしたい」だとか、
そういうものに対する怒りは激しくて、
ずいぶん後まで尾を引いてしまう。
特に異性関係、
弱いところを突かれるから、
その傷を癒やすのに時間がかかり、
傷を見るたびに怒りが湧く。
怒りは風化するもの、
そのためには満たされればいい。
他の何かで、
みんなそうやって命をつないでいる。
だけれども満たされないから、
損をするとわかっていてもやめられない。
相手にも損をさせたいのだ。
そんなことをしたって、
損をする一方なのに、
あんなことをしておいて、
何もなかったかのようにされたくない。
いいや、やめよう。
ため息は酸素の無駄遣い。
なんだか疲れた。
とにかくやめよう。
怒りの基準がわかっても、
許せないならば仕方がない。
もはや心と体がバラバラでよくわからない。
やわになったものだ。
いろんなことを諦めるようになってから、
大きな恋って、
今まで4つしてきたと思うけれど、
その4つ目が終わった。
もちろん一つも実ってはいない。
5つ目はあるのかわからない。
恋をしないで結ばれることがあるかもしれない。
もう燃えるような恋は必要ない。
穏やかに自然といられる人と結ばれたい。
これ以上傷つきたくない。