目には見えないけれども確かに存在する。
消えてはくれない胸の痛みがその証拠、
「悪気はなかったんだよね」
そういう問題ではない。
傷つけられた方は忘れたくても忘れられない。
時が経つほどに、
痛みは和らいでいくけれども、
切り傷や擦り傷、
ひっかき傷とは違って、
どんなに小さな傷であっても、
決して消えてはくれないのだ。
ふとした時に、
思い出の何かをきっかけにして、
記憶が蘇る。
そのたびに、
鈍い痛みを感じては、
その痛みの源に思いを馳せて、
つらい気持ちになったり、
情けない気持ちになったり、
それと同時に懐かしい気持ちになったりする。
体に傷があろうものならば、
「大丈夫?」って、
みんな心配してくれるけれども、
心の傷は目には見えないものだから、
自分から外に出さないと誰も心配してくれない。
時には涙という形で、
時には言葉という形で、
あまりよろしくはないけれども、
どうしようもない時は態度という形で、
心の傷は、
命に及ぶこともある。
だから、
遠慮なんてしないで、
今の自分にできる精一杯の形で、
外に出してしまえばいい。
外に出せなくなってしまってからでは手遅れ、
消えてはくれない傷を背負いながらだけれども、
いっしょに背負ってくれる人が増えれば、
少しは痛みが和らぐでしょ。
愛って、
友情って、
時には薬にだってなる。
だから、
それって、
何かを得るための犠牲にしてはならない。
愛って、
友情って、
生きるために失ってはならないもの、