自粛、自粛って、
ぬるま湯にばかり浸かっていたものだから、
心を動かすためのリハビリが必要だ。
急に大きく動かすとその反動で、
一日を終えてから家の扉を閉じた途端に、
ドッと疲れが押し寄せてくる。
少しずつ、少しずつ、
ほんの少しずつでいい。
疲れてしまったら、
無理せずに休んでしまえばいい。
2か月も自粛してきたのだから、
いまさら1日くらいどうってことはない。
「取り戻そう」って、
真面目な人ほどリハビリをすっ飛ばして、
先へ先へと進もうとする。
そんなに急がなくたっていいんだよ。
世界はきっと、
生き急いでいるのだ。
それに無理矢理合わせようとしたってさ。
まだまだリハビリが必要な期間なのだから、
心も体も持たないよ。
一つずつ階段を登ればいい。
周りが一段飛ばしで進んでいても、
焦る必要なんてないのだ。
「人生の階段」ってやつは、
飛ばしてしまった一段を踏むために、
わざわざ戻らなければ先に進めさせてくれない。
そんなサディスティック一面を持った、
意地悪な奴だから、
大事な一段を踏み忘れないように、
足元にある一段が大事な一段であることを確かめるように、
ゆっくりと先に進めばいい。
一度足を離してしまったら、
次の段に足をかけると同時に抜け落ちて、
もう二度と踏むことのできない段もある。
「今しかないんだよ」
今を一生懸命に、
生きるしかないんだよ。
「ウィズコロナ」
それだって今しかないのだ。
だからこの時代を踏み締めて、
その感触をしっかりと記憶して、
この先の糧にすればいい。
「心のリハビリ」
それって時代を楽しむことでもあるのだ。
辛くて苦しくて、
自分を嫌いになりそうなことばかりだけれども、
それでも今を生きるしかないのだ。
次の一段を登った先にはきっと、
今とは違う素敵な景色が待っている。
そう信じて、
また一歩、
そして次の一歩を踏みしめて、
今日も私はまた一段、
意地悪でサディスティックな、
「人生の階段」ってやつをを昇る。
足から伝わる感触を、
しっかりとこの身に刻みながら、