人間生まれ持って不平等なもので、
環境によって生きるために必要とされるスキルは大きく異なる。
「望む人生」
それを手に入れるための道のりは、
距離も険しさも人それぞれ、
経済的に恵まれていれば、
十分な教育を受けて舗装された道を進むことができる。
そうではない道もある。
でこぼこの悪路を苦労しながら進んでたどり着いた先、
たどり着いた場所が同じだとしても、
道のりによってその場所の見える景色は違うのだろう。
前者では必要とされるスキルがあって、
必要とされないスキルがある。
そしてその逆もある。
「恋愛」もおそらく同じなのだ。
容姿に恵まれていれば、
リスクを負わなくても、
匂わせるだけで異性は寄ってくる。
そうでない場合はまた違うスキルが必要となる。
息を吸うように異性を喜ばせる言葉が次から次へと出てくるスキル、
お金を稼ぐスキル、
「優しさ」や「気配り」を差し出すスキル、
そういうものを身につけて、
望む人生のレールに繋がるように、
ポイントを切り替える。
容姿に恵まれていても、
人たらしでも、
その後の関係を築くためには、
また別のスキルが必要だ。
いったいどれだけのスキルが必要なのだろう。
何ごとも「経験」だって、
ガムシャラに生きる中で、
いろんなスキルを身に着けてきたけれど、
その先にあるものが「満たされない」
そんな結果ならば、
これまでの生き方は間違っていたことのなるのかな。
「望む人生」
「高潔な精神」だとか「誠実さ」だとか、
そんな理想像ばかりが肥大化して、
私は「うまく」生きてこなかったのだ。
仲間は「うまく」やっていた。
だからみんな結婚して家庭を持って、
よろしくやっているのだ。
今の私は、
私が望んでいた私なのかな。
Mr.Children『Any』
今僕のいる場所が
探していたのと違っても、
間違いじゃない。
きっと答えは一つじゃない。
手に入れたものを手放すことが怖い。
手元には何も残らなくなってしまうようで怖いのだ。
ある種のヒロイズム、
それに浸ることで得られる、
なんの「救い」にもならない自己陶酔、
カタルシスもどきだ。
このままポイントを切り替えずに先に進んでいても、
手に入るものはそういうものだけなのかもしれない。
それでも低い可能性に懸けて、
進み続けるしかないのだ。
「愚直」であること、
ここまで来たらそれ以外に頼れるスキルなどないのだから、
ただ生き続けるのに困ることはない。
だけれども「満たされない」
「生ける屍」
ただ生きるために生きているのだ。
それもまたスキルなのかな。