東京2020オリンピック、
サッカー男子・日本代表は3位決定戦でメキシコに敗れ、4位という結果に終わった。
U-24というカテゴリに属するこの世代のみならず、A代表の試合を見ていても、日本は驚くほど強くなっていることを感じる。
この試合にしても0-3になってからの試合展開は見事なものがあり、Jで無双していた三笘薫がキレキレのドリブルからゴールを奪う形で一矢報いた。
ハーフラインから一人でペナルティエリア付近まで切れ込みシュートに持ち込むシーン、
まさに「切り裂く」という表現が適切だ。
あのドリブルは日本人のアジリティーが世界に通用することを示す大きな成果だと感じる。
久保建英にしても、堂安律にしても、個の力で局面を打開できる選手、
そういう選手が何人も揃っているのが今の日本代表なのだ。
敗退はしたものの、彼らの今後の戦いが楽しみで仕方がないと感じたのは私だけではないだろう。
さて、表題の件、
敗戦後に泣き崩れてピッチから立ち上がることのできなかった久保くん、
普段の力強い彼からは想像できない姿だった。
準決勝でスペインに敗退したときも、悔しさを滲ませながらも冷静に「オーバーエイジの選手のためにもメダルを取って帰りたい」と語る姿、
とても20歳とは思えないメンタリティだ。
その彼がインタビューでは目を真っ赤にして「サッカーをしてきてこんなに悔しいと感じたことはない」と語る。
本来ならば人前で話すこともしたくない状況で絞り出した言葉、
彼の責任感の強さが窺える。
その姿に心を打たれた。
私にもそういう日があったことを思い出す。
死力を尽くして取り組んだ試合、
その結果としての敗戦、
ひと段落ついた翌朝は涙がとまらなかった。
その日は人には見えないところで何度も泣いた。
人生であんなに泣いた日は後にも先にもない。
努力は嘘をつかないのだ。
必死で頑張ってきた人の姿には、
それが喜びであれ、悲しみであれ、
人の心を打つ力が宿る。
「悔しい」
「嬉しい」
姿を通してそれを見る側に伝えてくれる。
そうやって感動は伝播する。
自らの体験と重ね合わせて、感動は増幅される。
「久保くんの涙」を見て、
私は図らずも泣いてしまった。
あの時の悔しかった自分の感情が呼び覚まされたから、
あの時に決めた。
「どんな逆境に対してもビクともしない、強い自分を作り上げよう」って、そう決意をした。
そして今、大きな転機を迎えている。
また新たな飛躍をするチャンスなのだ。
「真剣な人の姿」はいろんなことを教えてくれる。
それに触れたいがために、私はオリンピックを見るのだろうか。
「久保くんの涙」
あの姿は私に勇気を与えてくれた。
もう一度、泣けるくらい努力したいな。
何だかそう思えた。