アラサー、アラフォー、アラフィフ、
さらにはアラ還なんて表現は見るけれど、
どうやら「アラツー」というのもあるらしい。
「アラトゥエ」「アラハタ(ハタチ)」なんて呼び方もするようだ。
そもそも「アラ◯◯」というのは新語だ。
有力な説では主婦之友社の雑誌「ジゼル」が、
「アラサー」という年齢を限定しない言い回しを掲載したことから広まったらしい。
一般的な使い方ではプラスマイナス2歳とのこと、
私の感覚では四捨五入までは含まれると思っていた。
「アラツー」が使われない理由としては、
おそらく自分を表す上で「年齢よりも便利な表現があるから」だろう。
広く見て15~24歳が「アラツー」に該当すると考えると、年齢よりも「属性」が重視される。
「中学生」「高校生」「大学生」
多くの「アラツー」はこうしたわかりやすいカテゴリーに属している。
だから、それらの「属性」のほうが自分を示す表現として的確なのだろう。
「アラツー大学生」って言われても「当たり前やん」ってなるし、
こうしたカテゴリーを脱してしばらくすると、
自分を表す「属性」は数年単位ではなく長い期間ついて回ることになる。
社会に出れば「社会人」
結婚すれば「夫」や「妻」
子供が生まれれば「親」
例外はあるけれど、
多くの場合は、一度得た「属性」が長いこと付きまとうようになる。
同じ属性だとしても年齢はまちまちだ。
だから「属性」で年齢を推し量りにくくなるので、
自分を示す表現として「アラサーOL」だとか「アラフォー主婦」という言葉を使うようになる。
「アラ◯◯」という接頭語をつけて自分の立場をより詳細に表現する必要があるのだ。
年齢に幅を持たせることで「若いことにしておける」というのもあるかもしれない。
そういう色々な思惑が「アラ○○」という括りとして世に広く使われるようになったのだろう。
語感が良く、使い勝手もいい。
便利な言葉は使われ続ける。
それが市場原理なのだ。
SNSでたびたび使われる「バズる」
そこから生み出されるトレンドもある。
かつてはテレビや雑誌がそれを先導していたけれど、今は個人がトレンドを生み出す時代だ。
指先だけで自己承認欲を満たせる時代、
今の「アラツー」世代たちは物心ついた時から当たり前のようにオンラインで人と繋がることのできる時代だった。
そういう世代がどんどん活躍の場を広げている。
未来はもしかしたら「学生」という枠組みが一般化されなくなり、
15歳で起業をしたりして、「アラツー」という言葉が使われるようになるかもしれない。