少し時間ができたものだから、撮り溜めしていたものを一気に見た。
ドラマ『ファイトソング』
正直、初回を見た時は、継続してみるか悩むくらいあまり面白くなりそうだとは思わなかった。
設定がありきたりだし、なんか陰鬱な雰囲気漂う作品との印象を受けた。
しかし、主演の清原果耶さんのことは、映画『3月のライオン』で見た時から気になっていたこともあり、流しながら見ているうちに、真っ直ぐで不器用な主人公とヒロイン、二人の愛の形に引き込まれていった。
このドラマで一番株を上げたのは、SexyZoneの菊池風磨くんだろう。
一途にヒロインを身守りつつ、自分の気持ちを隠したまま彼女の恋を陰に陽に応援する。
そしてヒロインとは結ばれない。
そんな切なさと相まって、
常に明るく振る舞い、周りを励まし続ける様は、なんとも男前すぎてキュンとした女性は多いだろう。
そして最後は主要人物3組が全て結ばれて終わる。
とても「優しい世界」だった。
テーマは「愛の力の持つ可能性」
幼い頃に親と離れざるを得ない事情を抱えながらも、力強く生きるヒロインたち、
生きているだけで悩みは尽きない。
家族だけではなく、夢も失いかけていく。
それでもたった一つの音楽を支えとして、その悩みを乗り越えていくヒロイン。
そこから繋がる愛。
なんだか、王道すぎるところが逆に斬新だった。
現実はそう簡単にはいかないのだろうけれど、愛さえあれば全てを乗り越えていけるという力強いメッセージ。
意地の悪い登場人物が一人もいない。
こういう世界っていいな。
その点安心してみられるドラマだった。
最近のドラマは、視聴者との駆け引きが多い。
感情を揺さぶることにより、次を見たくさせるような趣向を凝らしているのだ。
視聴を煽る。ある種の中毒性、
刺激を与えることで脳内物質をドバドバと分泌されせるような作品たち。
そういう作品ばかりを見ていた気がする。
そろそろそういう作品には、胃もたれのするお年頃になったのかもしれない。
Mr.Children『HERO』
「駄目な映画を盛り上げるために
簡単に命が捨てられていく。
違う僕らが見ていたいのは
希望に満ちた光だ」
この歌詞が身に染みる。
昨今は、優しい作品が少ないように思う。
今はニュースで戦争ばかりが取り上げられていることもあるのかな。
現実も「優しい世界」になればいいのに。