私の彼女は胸が大きい。
とんでもなく大きいわけではないけれど、体のラインがわかる服装の時には、その存在感がしっかりと見て取れるくらいの大きさはある。
これは、妄想でも何でもなく、れっきとした事実だ。
前屈みにならなくても、その膨らみはハッキリとそこにあることを主張する。
だから、手を繋いだり、腕を組んでいると、
その胸の感触が私の腕に伝わってくるのだ。
困ったことに、私の下半身がその感触に反応してしまうということは、前に記事にした通りだ。
先日の光景が目に焼き付く。
彼女がリュックを背負い直そうと飛び跳ねると、胸がユサっと上下に跳ねる。
腕から伝わる感触からは、彼女の胸は少し硬めな印象だったのだが、どうやらそうではなかったようだ。
その不意な胸の揺さぶりに、私の心も大きく揺さぶられる。
私は「彼女のおっぱい」のことばかりを考えている。
手を繋いで歩いていても、胸の感触に夢中で気もそぞろなこともあるくらいだ。
そして、彼女は私をからかうように胸を私の腕に押し当ててくることが増えたから、私の視線に気がついているのだろう。
そうやって、私は簡単に彼女に落とされてしまった。
男なんて単純なもの。
胸の感触だけで簡単に気持ちを奪われてしまうのだ。
付き合う前は、私の方が強かったであろう相手に対する気持ち。
今では間違いなく、彼女から私に向けられる気持ちの方が大きい。
「私が選んだ人だから間違いないはず」
そんなバイアスが働いているのか、彼女の私に対する期待値は実力以上だと感じることが多い。
私は胸の感触にほだされて、その期待に応えようと努力しているのかもしれない。
その努力している姿を通して、彼女は私への期待値をさらに上げていく。
上がり続ける期待値は、どこで高止まりするのだろうか。
私が私のことを「大した人間ではない」と気がついた時に、彼女は私のことをどう思うのだろうか。
私はそれを恐れているから、彼女と会った日に別れた後は、どっと疲れるのかもしれない。
「おっぱいの魔力」
それはいつまで私の原動力になるのだろうか。
その全容を目の当たりにして、心ゆくまでその感触を確かめてしまった後は、その魔法は解けてしまうのだろうか。
そうして腑抜けた私は、彼女の心を繋ぎ止めておくことができるのだろうか。
無意識のうちに背伸びしているのかもしれない。
まだまだそういう時期なのかもしれないけれど、一緒に生活するようになれば、そういうわけにはいかない。
彼女の私に対する期待値が上がりきってしまう前に、弱くて甘えたくて、胸のことばかりを考えている私を曝け出した方がいいのだろうか。
いきなり胸を触るわけにはいかない。
紳士的に胸を触るにはどうしたらいいのか。
彼女に相談してみた方がいいのか。
そもそも、彼女は私の腕に胸を押し付けてくるのだ。
それはOKのサインなのか。私の反応を面白がっているだけなのか。
経験のない私にはわからない。
OKなのであれば、その感触を掌で確かめてみたいと思う。
私は、彼女のおっぱいのことばかりを考えている。
少なくとも、その全容を把握するまで魔法は解けない。
少しでも長く魔法にかかっていたいた方が、
何かと幸せなのかもしれない。