「結婚する」ということは大変なことだと改めて感じる。
本人同士が良かったとしても、両家の価値観が違ったらそれを擦り合わせる必要がある。
本人同士のこだわりよりも、むしろそちらの方に引きずられることがあまりにも多すぎる。
「2人で周りを愛する覚悟」
結婚にあたり、そのような心持ちが必要だと聞いたことがある。
これを実感する日々である。
環境は大きく変わることになる。
そして、これまでよりもたくさんの縁を新たに結ぶことになる。
とても大変なことなのだ。
「価値観が同じ」だと思っていた2人の間にも、
過ごす時間が増えることで綻びが生じる。
とにかく妥協をしたくないため、全部乗せを主張する彼女と、できるだけシンプルに済ませたい私。
これから先、決めなければならないことは山ほどある。
そのたびに妥協なく取り組んでいたらキリがない。
披露宴、たった2時間程度のイベントのために、何ヶ月間も準備をする必要があるのだろうか。
オーソドックスな形で進めて、ところどころにアクセントを加えるだけで十分だと思う。
演出にお金を使う必要はなく、直接個人をもてなすためのものにだけ、しっかりとお金をかければいいのだ。
私はそう考えているのだけれども、
私と彼女は、その辺りの価値観が違うようだ。
「一生に一度」という魔法の言葉。
それにほだされて、どんどん無駄なものが増えていく。
式場もビジネスということだ。
分野ごとに別の業者が担当をするものだから、当初の見積などあってないようなもの。
オーソドックスを目指したところで、予定外の費用は上積みされていく。
ここぞとばかりに相場に割増をした提示を繰り返されて、何にお金を払っているのだかわからないうちにたくさんの契約を結んでいる。
そういう風にできているのだ。
「披露宴が終わるまでのこと」だと我慢しようと思っていたけれど、収拾がつかなくなり、挙句にうちの親まで痺れを切らしてきたものだから、火消しを行う必要が出てきた。
何ともめんどくさいものだ。
だけれども、やるしかないのだ。
自ら望んだことなのだから、
仕方がない。