「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

妻の料理の腕前

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「生活を良くしていきたい」

私たち夫婦は、その理念を共有できるパートナーだ。

 

だから、学びを忘れない。

その甲斐あってか、妻の料理のクオリティが日に日に上がっている。

 

あまり料理をしてこなかった2人だから、

妻は「私が作る」と心を決めて、それからは毎日2人分のご飯を作ってくれるようになった。

 

正直、初めは妻に気を遣い、

「美味しい」と口で言いながらもあまり美味しくないこともあった。

妻もそれをわかっているらしく、その度に私は、妻を傷つけないようにフォローする。

その度に私はフォローするスキルが上がっていくのだ。

 

しかし今では、レパートリーが増えているにも関わらず、そのどれもが「美味しい」と思うくらいに上達している。

「失敗」を「勉強」と捉えながら、次回への糧とする妻の姿勢は、素直に尊敬する。

 

「俺が料理してくれないから、さざゑ(妻)は疲れちゃうね」

そんなことを私が冗談めかして口にすると、妻はこう言うのだ。

「ますをくんは、仕事を遅くまで頑張っているんだから、帰ってきた時にご飯くらいすぐに食べたいでしょ。これは、ますをくんと結婚した私の使命だから気にしないでね」

 

なんとも健気で素敵だと思った。

そんなことを言われると、私も頑張らざるを得なくなる。

狙ってか狙わずか、私は妻の手の中にいるようだ。

こうして、私たちは何とか夫婦生活を続けている。

 

今はまだ、お互いがお互いのことを気遣いながら生きている。

その遠慮がなくなった時に、私たちは良好な関係を続けることができるのだろうか。

 

「学ぶ姿勢」を忘れない限りは、おそらくこの関係を続けることができるのだろう。

 

しかし、人生は平坦ではない。

数多の試練を乗り越えて、私たちは理想の夫婦への歩みを続けることができるのだろうか。

それとも、どこかで力尽きて、別々の道を進むことになるのだろうか。

 

これから先のことは誰にもわからない。

妻は「大丈夫」だと言う。

私は「先のことはわからない」と言う。

そんな私のネガティブを笑ってあしらう妻の強さに救われる。

 

私は、この人としか結婚することができなかったのかもしれない。

奇跡的にうまくいかなかった数々の私の恋愛は、今この時に繋がっていたのだ。

 

どんなに腕がプルプルと震えて、すぐにでも掲げた希望を下に降ろしたくなったとしても、掲げた希望を降ろさないことが大事なのだと、今になって思う。

 

「諦めたら試合終了」

 

泥臭く、粘り強く、前に進み続けるしかない。

幸せな時だからこそ、私はそれを忘れずにいたいのだ。