富を略奪するために行われてきた戦争だが、
その理由が変わってきたのではないか。
今は、富を生み出す最も大きな資源は「情報」だ。
そうなると、単純に他国に攻め入って資源を獲得するために武力を行使することは、コスパが悪い。
今のウクライナ戦争にしても、権力争いの延長であって、資源獲得のためという要素はそこまで大きくないだろう。
「アメリカファースト」
イギリスにしても、イタリアにしても、自国ファーストの風潮が強くなっている。
世界的に景気が良いとは言えない中で、他国のことまで思いやる余裕はないのだ。
「目の前の課題が解決すれば良い」という流れは勢いを増し、やがて歯止めが効かなくなる。
その段階になって初めて、他国を侵略して富を奪おうという事になる。
今の時代は、そちらの方向に進む危険性を孕んでいるが、そこから先の行動には至らない。
なぜなら、前述の通りコスパが悪いからだ。
ただ、それだけのこと。
これから、世界はどうなっていくのだろうね。
最終的には、国という枠組みが曖昧になっていくのかもしれない。
バーチャルで世界は簡単に繋がっている。
それが当たり前の環境で育った世代が中核となる頃には、国という枠組みにこだわらず、良いものは良いと認めてシェアする時代へと進むのだろうか。
希望的観測だが、なんとなくそんな予感はする。
良くも悪くも、パーソナリティが肥大化した時代、
その肥大化したパーソナリティを認めてもらうことが、次の時代に「最も求められる価値」となるのだろう。
人は、居場所を奪われることをひどく恐れる。
反面、居場所を与えてくれるものを許容しやすい。
その点では、恣意的なものがなければ、安易に争いの方向に進むとは考えにくいはずだ。
一方では、コミュニティが乱立して、国よりも大きな意味を持つ枠組みが無数に生み出されるのかもしれない。
そうなると、世界は分断されて、協調性を持ちにくくなる。
今はまだ、所属する国のリーダーがわかりやすいが、これから先の時代、それはただのお飾りになるのかもしれない。
いずれにしても、傑出したリーダーは、政治の世界に足を踏み入れたがらない。
それよりも、ビジネスの世界に身を置いた方がコスパが大きいからだ。
志が高く、自らの損得を顧みずに身を粉にして働くような人物が政治の世界に現れて、世界の分断を解消する時は来るのだろうか。
話は逸れたが、戦争を始める理由は、時代とともに変わっていく。
そして、それはコスパを理由として、これから先の時代では、どんどん弱くなっていくのではないだろうか。
未来は明るい、のかもしれない。
今回書きたいことは、それくらいだ。