まるで無かったかのように、5月に入ってからは時の流れるのが早い。
それもそのはずだ。
ほとんど休みだったのだから。
忙しく過ごしていると記憶が飛ぶけれど、休んでいてもその時間は記憶に残らない。
しかし、忙しく過ごした経験は、確かに自分の中に蓄えとして残るのだ。
5月も10日となる。
少し落ち着く予定だったが、そんなに甘くはない。
結局、連休が明けてからも、私は何かしらで忙しいのだ。
その中をやりくりして休みを取るしかない。
うまいこと誤魔化しながら進んでいくしかないのだ。
嫌でも時は流れる。
それをどのように過ごすのかは、自ら選び取るべきだ。
なんとなく流れに身を任せて、気がつくと時が経っていたという人生を、私は虚しいと感じる。
選択肢があるうちは良い。
あまりにも忙しくなりすぎると、結局は一本道で敷かれたレールの上を歩くしかなくなる。
それも自ら選択した道といえばそうなのだけれども、あまりにも何かに追われるような日々を過ごすと、果たしてそれを自分が望んでいるのかわからなくなる。
5月は、あっという間に終わるだろう。
そして、6月はやってくる。
私が望んでも望まなくても、時はどんどん進んでいくのだ。