美しい。まるで詩のような曲だ。
心を寄せる対象が、たまらなく心を寄せることのできる対象が、この世に一つでも存在するならば、
それだけで人は生きることができる。
そんなメッセージと共に、
それを失うことでダメになる人の心の脆さ、儚さを伝えている。
大切なものを失った時、
長い目で見れば、悲しみに打ちひしがれる期間は必要だ。
そうした期間を設けずに、ガムシャラに先に進み続けた時、解決していない闇に飲み込まれて、心は悲鳴を上げる。
それに気がつかないふりをして、さらに先へと進み続けると、今度は体の方が悲鳴をあげる。
どんなに巧妙に避けようとしたところで、
強制的に闇と向き合わされるのだ。
それならば、とことん向き合うしかない。
とことん打ちひしがれて、それでも立ち上がるしかないのだ。
失ったものは戻らないことが多い。
代わりに得られる何かでパッチを当てて、
出来上がった「つぎはぎだらけの心」
それが「人生」と呼べるものに育っていく。
苦しみや悲しみは、
成長するためのチャンス。
そう思い込んで、
逃げずに立ち向かうしかないのだ。
ヨルシカ『第一夜』