「人生の価値をどこに求めるか」
それによって生き方は大きく変わる。
「常に成長し続けること」が「人生の価値」だと考える人もいれば、「ただ毎日を楽しく過ごすこと」が「人生の価値」だと考える人もいる。
その中で自尊心を育むわけだから、前者では「成長できていない自分に価値はない」と卑下する人が出てくるし、後者であれば、ひたすら快楽を追い求めることに躍起になる人がいるのかもしれない。
価値観は人それぞれ。
「人生の価値」なんてものは、人の数だけあるのかもしれない。
「努力していないと自分を認めてあげられない」
私の周りには、そういう真面目な人が多い。
おそらく、私もこのグループに属する。
十分に努力しているのに、それでも足りないと、自分に対して課題を与え続ける。
体力のあるうちはそれで良い。
ひたすらに、ガムシャラに、前を向いて進み続ければいいのだ。
しかし、体力は無限ではない。
無理をした分だけ疲労は体に蓄積されるし、それを誤魔化して無理をし続けていると、どこかで心と体は悲鳴を上げる。
それでも、その悲鳴を無視して進み続けると、今度は心と体が壊れてしまう。
「痛み」は、無理をしているというサイン。
それを蔑ろにしてはいけないのだ。
それで、私は一度心を壊してしまった。
いや、壊しかけたところで、かろうじて踏みとどまることができたのかもしれない。
「理想」は、「諸刃の剣」なのだ。
前に進むための推進力にもなれば、前しか見えなくなり、自分の心と体に目を向けることができなくなるという危険性を孕んでいる。
「毎日が成長」
「昨日の自分よりも前に進まなければならない」
「成長できていない自分には価値がない」
そうやってさ。
自分をどんどん追い込んでいたら、
自分で自分に対して毒を盛っているようなものだ。
ジワジワと蝕まれていく。
「ぷつり」と糸が切れてしまうまで、心と体が緊急停止して、自らの意思でコントロールできなくなってしまうまで、進み続ける必要なんてない。
私も経験したけれど、そうなってしまったら、リカバリには膨大な時間がかかるのだ。
そして、一度壊れてしまったものが、完全に元に戻ることは二度と無いのかもしれない。
「過剰適応」
自分で自分の価値観を確立できていれば、周りの評価に身を委ねることは少なくなる。
誰かに認めてもらうために、自分のことを犠牲にしてしまったら、誰の人生を生きているのかわからなくなる。
私は「私の人生」を生きたい。
「無理なものは無理」で「できないものはできない」のだ。
「人として、目の前の1人に誠実であり続けること」
それさえ忘れなければ、私は私の人生を生きていると言えるはずだ。
のんびりするときは、のんびりしながら、
やりたいことと、やらなければならないことだけをこなして、自分の心と体が求めているものに耳を傾けることが大事。
それだけは、忘れてはならない。
