人は誰しも生まれながらに、
「魔法」をかけられているのだ。
自分が別人に変わるような経験。
何度かそういうことを経験している。
命に及ぶような出来事を経験すると、
世界の見え方が変わってくる。
それまでの自分には二度と戻れない。
新しい自分として生きていかなければならないのだ。
「魔法が解けた」
一度魔法が解けてしまうと元には戻れない。
ガラスの靴を落としたシンデレラのように、
王子様がまた魔法の世界へと誘ってくれることなどないのだ。
いつまでも子供のままではいられない。
現実を突きつけられることで、自らの力で生きねばならないことを知る。
誰かが自分の代わりに自分の人生を生きてくれることなどない。
人生は自己責任なのだ。
そのことを受け止められるか否か。
そこが人生のターニングポイントなのだろう。
生きていれば苦しいことはたくさんある。
その苦しいことに引っ張られて、楽しい経験は薄められている。
だから、人生はいつも苦しいことばかりだと錯覚しがちだけれども、そんなことはないのだ。
楽しいことのカケラを拾い集めて、人生に彩りを与えてやること。
それをうまくできる人が人生を謳歌するのだ。
魔法が解けてしまっても、
魔法がかかっていると信じて、
自分には明るい未来が待ち受けていると信じて生きるしかない。
それを前に進むための原動力として、
終わりを迎えるその時まで生き続ける。
もう元には戻れないのだ。