「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

大雪

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大雪が降った。

 

「雪が綺麗」と笑うのは君が良い。

まだ綺麗なままの雪の絨毯に刻む足跡の平行線

粉雪舞う季節はいつもすれ違い

 

そんな歌のフレーズがあるけれども、

もはや雪に対して情緒を感じることなど、

とうの昔に忘れてしまったようだ。

 

交通機関の遅れや配送の遅れ。

利害のことばかりを考えて、

雪が降ることに嫌悪感を覚える。

 

年々、心は動かなくなってしまうのだろうか。

手足が動かなくなるよりも先に、

まずは心が動かなくなるのだ。

 

徐々に世界に対する興味を失っていき、

気がつくと何をするにも億劫になる。

人間は使わなくなった昨日から衰えていく。

 

心を動かさないでいると、

やがて心を動かすために必要な機能が衰えていくのだ。

 

心が動かなくなったとき、

手足が動くうちは、手足を動かした方がいい。

村上春樹『ダンスダンスダンス』の主人公は、とにかく行動し続けることで、凍った心を取り戻したのだ。

 

時に逆行して何かを手に入れるためには、並の努力では何も掴み取ることはできない。

成功体験を掴むことができないと、人はどんどん行動する意欲を失ってしまう。

 

足掻いて、足掻いて、足掻き続けるしかない。

目の前の経験をありがたく享受して、凍ってしまった心が再び動き出すように、足掻き続けるしかないのだ。

 

心は死んでなどいない。

ただ凍ってしまっただけなのだから。