自分の人生だけを生きていると、
生き続けるための活力が足りなくなる。
長いこと生きていると、
自分1人だけでやれることはやりきってしまい、
何のために生きているのかわからなくなる。
もともと江戸時代くらいには50年で終わっていた寿命だ。
まだまだ人は寿命を持て余しているのかもしれない。
興味のあることを片っ端から片付けて、
残ったものは「やらなければならないこと」。
それでも興味のかけらを集めながら、
生きることを続けなければならない。
「何のために生きているのだろう」
と自問自答を繰り返しながら。
結婚して実感することは、
家族がいると興味のあることが次から次へと湧いてくる。
それを増やす努力をしなくても、自然と泉のように湧き上がってくるのだ。
だから生きるための活力が湧いてくる。
独身の時でも、もちろん社会との繋がりはあるし、親兄弟との関わり、友人関係もあった。
それでも自分1人で完結していた世界が、何と狭いものだったのか。
それを実感する。
「自分」と周りとの関係から「自分たち」と周りのと関係に変わる。
家族という存在を自分と等しく捉えることで見える景色は劇的に変わるのだ。
子供が生まれたら、より顕著に現れるのだろう。
保育園の見学に行く。
少しずつ実感が湧いてきた。
私に子供が産まれるのだな、と。
私の人生はどのように変わるのだろうか。
間違いなく言えることは、私にとって生きる動機が増えるということだ。
私は子供のためにも生き続けなければならない。
生きる理由が増える。
例えどんなに大変な環境に身を投じることになったとしても、
それは幸せなことなのだ。