「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

T.T

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前向きな言葉が出てこないのだ。


時期的なものなのか。

気温と同じようになんだか不安定なこの頃、


花粉で目がかゆい。

目薬を点すたびに流れる涙は偽物だけれども、

いつでも本物を流す準備はできている。


涙の数だけ強くなれるらしい。

見るものすべてに怯えてしまう。

明日は来るのか、私のために、


前向きな言葉が出ないどころか、

受け入れることができない。


誰かのそれも、

どこか飾り物のように感じてしまう。


期待することが怖い。

どこまでこじらせたら気が済むのだろう。


いつだってグレーゾーン、

そこの居心地がいいのだろう。


相手の心を掌中に収めているような気になって、

そこから抜け出そうとしない。

からしびれを切らして去ってゆく。


言葉が欲しい。

責任を負いたくないから、

失敗しても相手のせいにできるから、


態度だけでは信じられない。

今まで散々失敗してきたから、


きっと私は自分が大好きで、

傷つかないところから出たくないのだろう。


一歩踏み出せば責任を伴う。

簡単には踏み出せない。


それを「誠実さ」だと言い聞かせて、

ただの「臆病」であることを認めたくない。


何回繰り返せば気が済むのだろう。


「誰もが脆く弱い人間」


そのことさえわかっていれば、

気持ちを差し出すことに臆病にならずに済むのに、


差し出すものを差し出さないで、

欲しいものを手に入れようだなんて虫のいい話、


「言葉がほしい」

 

そう思うならば、

先に言葉を差し出さないといけないな。


拙くて安っぽいかもしれないけれども、

心からの「好き」という言葉を、