「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

無駄に「画素数」が上がってしまった

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家を出た途端、

妙にイライラする。


道行く人の一挙手一投足が目に留まり、

心をざわつかせる。


「思い通りにいかない」

そんなもどかしさに起因するのだろうか。


「負の感情が駆け巡る」


何をしていても、

何をされてもイライラする。

 

「気をつけなければならない」

 

自分を戒めようとして、

心の中でそうつぶやくけれど、

途端に猛スピードで横切る信号無視の自転車、

怒鳴り散らしたくなるのを我慢する。


イライラする日は、

とことんイライラするのだ。

何もそれは女性の特権ではない。


思い当たる節はない。


「前日見た夢」


記憶には残っていないけれど、

「無意識」がそうさせるのだろうか。


そういう日は、

自分で自分を飼いならす。


私は私の心の動きを、

もっと単純に認識していたけれど、

細かいことにこだわるあまり、

その監視を強めてしまったのかな。


だから些細な変化を敏感に感じ取る。

 

そうしたところで、

あまり良いことはない。


私は私に「呪い」をかけているのだ。

 

「努力は報われるはずだ」

「諦めなければ幸せ掴めるはずだ」

「自分にとって世界で一番素敵な人がどこかにいるはずだ」

 

そうやって、

自分の心が怠けていないか。

チャンスを逃してはいないかって、

自分を、世界を、監視し続けている。

 

だからイライラする。


鈍感なまま、

無用なストレスを避けて生きたかった。


そう願ったところで、

このイライラを制することはできない。


向き合えば向き合うほどに、

カメラの性能ばかり良くなって、

「幸せ」からは遠ざかる気がする。


行き当たりばったりで、

「おもしろそうな選択」を続けたほうが、

きっと楽しく生きられるのだ。


世間の多くは、

自分勝手に面白おかしく、

人を傷つけたことにも気が付かないで、

平気な顔をして生きているのだから、


「画素数」ばかり無駄に上がってしまった。


気の向くままにカメラを構えて、

スナップ写真を撮るだけで十分だったのに、


鈍感に戻りたい。