「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

自分の言葉で話さない人

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今の世の中は「標準化」に舵を切っているものだから、いわゆるフレームワークと呼ばれる、失敗しないためのテンプレートが無数に存在する。

 

コンサルタントの仕事は、まずそれを覚えるところから始まるらしい。

 

そうなると波風の立つようなことは話さない、

型にハマった正解以外の意見は受け付けない、

そんな量産型の面白みのない人間ほど「優秀」ということになる。

 

時代が進むにつれて、利便性を求めてビジネスは進化していくのだろう。

ある意味では、利益を上げるためのビジネスモデルの終着点が「標準化」ということになる。

 

しかし、そこで終わってしまうような働き方を続けていたら、プライベートにも影響を及ぼすようになりはしないのだろうか。

 

失敗を恐れて、正解ばかりを先回りして追い求めるようになったら終わり。

生活のどこに面白みを見出せば良いのか。

私にはわからない。

 

そのうちに、何を聞いても当たり障りのない「正しいこと」しか話さなくなるテンプレ人間の出来上がり。

このテンプレ人間は、果たして何に心を動かして、何を楽しみに生きていくのだろうか。

 

組織と自分をコミットさせれば、わかりやすく居場所ができる。

しかし、その居場所が当たり前のものになってしまうと、自らの価値観が組織と同化して、それ以外の価値観を受けつけることができなくなる。

 

この状態は、果たして幸せだと言えるのだろうか。

私は、そうは思わない。

 

周りと調和することはもちろん必要だ。

ただ、周りと調和することが最も大きな目的になってしまうと、そこから先の人生が途端に色褪せたものになってしまう。

 

「自分の人生を楽しむこと」

 

それよりも大事なことが、この世に存在するのだろうか。

もちろん、周りに迷惑をかけないことは前提となるけれど、自らの気持ちを偽って、周りにばかり迎合する人生。

誰の人生を生きているのかわからなくなる。

 

自分の言葉で話さない時間は、自分に対して偽りを述べていることにもなる。

それが当たり前になってしまったら、仕事のみならず、プライベートにまで影響は広がる。

 

そして、いつの間にか、自分の意思や願いが自分でもわからなくなり、人から与えられたものにばかり時間を費やすようになる。

 

「自分の言葉」

自らの内面から湧き出てくる気持ちを蔑ろにしてはならない。

時にはその言葉に従って、ありのままの気持ちで行動することが大事なのだ。

 

いつだって、大事なことは自分の内側に用意されているのに、人はそれに気がつくことなく、周りの評価ばかりを気にして生きている。

 

そのことに気がついていながらも、気がつかないふりをして、誰かに都合の良い言葉ばかりを吐き出している。

そして、徐々に蝕まれていく。

気がつかない速度で、ゆっくりと蝕まれていくのだ。

 

心が麻痺してしまう前に、心が何も感じなくなってしまう前に、心が発する声に耳を傾ける。

その繰り返しによって、「喜び」という感情が蘇る。

そこから先は、自然と自分の言葉で話せるようになるはずだ。

 

もしも、気がつかないふりをしているのならば、

どこかで変わらなければならない。

気がつかないふりを、いつまでも続けることはできないのだ。