転職をしてから1年以上が経ったから、もはや新人のような調子で働くことは許されないのだけれども、今の私の環境は、入社したての頃から、かなり自主的に動くことを求められた。
30代も半ばの転職だから、ある程度のレベルを求められることは当たり前のことだけれども、さらにしても丸投げ感が強い。
保管してあるマニュアルのようなドキュメントを元に自分で考えて顧客と調整をしたり、社内の要望を取りまとめたりする。
加えてガチガチのルールで固められている職場なので、マニュアルの細かさは嫌がらせかと思うくらいだ。
ドキュメントの数も多く、その中から正解を探すことも一苦労。
上司に当たる人は、多くの業務を抱えており、教えを乞う機会は限られている。
さらに加えて新参者の私に発言力はなく、取り纏め役としては肩身の狭い中で業務を進めなければならない。
そんな中で少しずつ実績と共に信頼を得て、少しは発言力のある立場になったものの、そうすると今度は顧客側の担当変更に伴い、こちら側に丸投げとなる。
顧客で検討が必要な事項もこちらで検討せざるを得ない状況にされて、タスクは増える一方だ。
自分が「ぬるま湯」で働いていたことに気がついた。
それが転職をして一番な学びだ。
ある程度意見の通る環境で、立ち上げから自分が関わったプロジェクトの運営が主な仕事だから、何をするにしても勝手がわかっている。
それどころか、私がイエスと言わないと案件が進まないような立場だったから、自分の仕事はほぼ自分でコントロールできていた。
そんな環境から一転、勝ってもわからないどころか、引き継ぎも最低限しかない状況で、私が多くを調整しなければ仕事が回らない環境に飛び込んだ。
そうすると、知識は自分が一番少ないにも関わらず、自分が回さないと全てが回らなくなる。
私は転職をしてから、そういう環境で働いているのだ。
「やらなければならない」
何もわからなくても、理不尽に振られた仕事でも、やらなければならない。
それが仕事というものなのだと、久しぶりに実感している。
しかし、それをやり切った先に待ち受けている景色がある。
それを信じてやるしかないのだ。
今の私は、自ら希望を作り出して、それを目指して進むしかない。
それしかないのだ。
