ドラマ『あなたの番です』
「私は人を殺すことを愛しています」
黒島ちゃん、
危ないやつだったのね。
似たような女を知っている。
虫も殺さないような顔をして、
甘えた声で媚びるような態度をして、
裏では二股をかけて平気で人を切り捨てる。
おそらく彼女の思考回路は、
他人は自分の欲望を満たすために存在している。
そういうことなのだろう。
男はバカだから、
見た目とそのミステリアスな態度に騙されて、
手玉に取られる。
「若くてきれいな女には敵わない」
村上龍氏の主張、
生理的に無理だから、
そういう女とは1秒でも時を共にしたくはない。
必要最低限で済ませてあとは関わらない。
吐き気がしてくるから、
黒島ちゃんのように命を奪わなくても、
そういう女はたくさんいる。
もちろん男もだろうけれど、
何のためらいもなく、
人を道具のように扱って、
そこに敬意すらない。
あるのはどうすれば自分の欲望を満たせるのか。
それだけ、
「命を粗末に扱いたい」
作中に出た言葉、
きっと幼稚な全能感の延長にあるもの、
人の人生を掌中に収めた気になって、
人より優れているって思い込んで、
自分の価値を確認する。
なんとも浅ましい。
人と比べないと自分の価値がわからない。
そのくせプライドだけは高くて、
反論されると食い入るように正当化に躍起になる。
気持ちが悪い。
そういう人ってきっと、
大事にしているように見えて、
結局は自分の命も粗末にしているのだと思う。
人の犠牲のもとにいろいろなものを手に入れて、
自分の命を死から遠ざけて、
一生懸命に生きることを馬鹿にして、
終わりがあるから輝く。
輝かせようと火を絶やさない。
人生がある程度進んだら、
「手に入れたものを手放す」
そういう作業が大事、
いつまでも燻って、
手に入れることばかりにこだわって、
時ばかりを積み重ねたって、
それが何になるのだろう。
「生き切った」
そう思えるように、
たくさん苦労しているのだろうな。
そう考えると苦労も悪くない。
どう考えても私は小市民、
真面目にコツコツと積み上げて、
少しずつ色々なものを手に入れて、
そうやって生きてきた。
これからはもう少し踏み込んで、
一日一日を噛み締めて生きたい。
先のことばかりに思いを馳せるからおかしなことになる。
心がまともなうちは、
地道にコツコツと、
きっとそういう生き方が一番幸せ、