「長所を伸ばす」
平らな地面に土を盛っていく。
いわゆる「盛る」という行為、
「短所を克服する」
へこんだ地面を土で埋めて平らにしていく。
いわゆる「埋める」という行為、
「いわゆる」だなんて書いているけれど、
完全に私の思い付きだ。
生きる上での傾向として、
「埋める派」と「盛る派」
そういう派閥に分かれるとしたら、
私は完全に「埋める派」だ。
足りないところに目を向けて、
それを克服するために努力するタイプ、
こと、ここしばらくの「恋愛」に対する姿勢がまさにそうだった。
「だった」もはや過去形だけれども、
婚活を始めて、
1年足らずで15人ほどの恋人候補と会い続けたけれど、
心惹かれる人はただ一人、
その一人ともうまくいかなかった。
私は平坦を好んで、
埋めた地面にシートでも敷いて、
そこに寝そべり空を眺めるのが好きなのだろうか。
取り立てた長所があることに目を向けて、
それを自尊心の拠り所にするよりも、
「穴」があることが許せないのだ。
だから「穴」を埋めようと躍起になるのだろう。
従来の日本型社会はそういう人間を求めていた。
「卒なくこなせる人」
公務員のジョブローテーションなんか象徴的だ。
歯車として権力の意に沿う形で成果を上げる人、
それが社会人としてのステータスだったのだ。
だけれども、
これからの時代は「尖った人間」
「盛る派」の人たちが活躍する時代なのだろう。
「趣味がお金になる時代」
確かホリエモンさんがよく言っている。
SNSの発達により、
人は容易く情報にアクセスできる。
情報のもとに人が集まるのだ。
情報を発信することで、
広告収入を得るようなエコシステム、
そういうものを獲得した人がもてはやされる時代、
情報や知名度がお金に変わる。
それがある種の「ドリーム」となって、
オンライン上にはライターやパフォーマーが溢れかえっている。
「お金の稼ぎ方」が変わってきているのかな。
そして「お金の使い方」も変わってきているのだろう。
サブスクリプションとして、
決まったお金をサービスに払い続ける。
このビジネスモデルは、
サービスを垂れ流すだけで利用者が増えるほどに利益が上がる、
そんな「金の成る木」だ。
「Office365」に代表されるように、
多くの従来からあるソフトウェアも追従している。
賢い経営者は、
利益を利用者に還元して、
さらにサービスを向上させる。
口コミで評判を呼び、
さらに利用者が増えて利益が上がる。
よくできたエコシステムだ。
「富は利権あるところに集約する」
「政治」も「投資」もそう。、
世の中の仕組みはそうできているのだ。
いつだって「ルールを作る側」が得をする。
そういう社会構造はいつまで経っても変わらない。
何を書きたかったのかわからなくなってきたな。
話を戻そう。
私は「埋める派」で、
「短所の克服」に喜びを感じるタイプなのだけれども、
それをシフトチェンジしていかないといけないのかな。
短所はバッサリと切り捨てる。
その象徴が「恋愛」だ。
これだけやって結果が出ないのだから、
どう考えても向いていないのだ。
そこに「幸せ」を見出すよりも、
もっと別のところに人生の価値を見出せばいい。
どこか拭えない「欠落感」はあるのだろうけれど、
それも含めて私なのだ。
それを受け入れる努力、
そういうものが必要なのかな。
周りの「幸せ」を見るたびに、
どんどん卑屈になっていく。
それは「空いた穴」にばかり目を向けているからだ。
「空いた穴」を埋めるにも材料が必要、
そしてその材料は有限なのだ。
時には限りがある。
「埋める」か「盛る」か。
0と100にする必要はないけれど、
そのバランスを考え直さないといけないのかな。
「できないことをできるように努力する」
それは素晴らしいことだと思うけれど、
何も「短所の克服」だけが人生ではない。
「埋められないまま残っている」
落っこちないようにバリケードでも張っておけば、
人生にはそんな「穴」があってもいいのだ。
そういう方向に、
考え方を改めないと、
いつまで経っても無い物ねだりなのだ。
もう十分に苦しんだ。
これ以上の苦しみは必要ないんじゃないかな。