「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

あらゆるものが「月額」によって賄われる時代

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特にこだわりがあるわけではないけれど、

私はいまだに音楽をSONYウォークマンで聞いている。


もちろん円盤を直接読みこむ前時代のものではない。

PCにCDを入れてアプリに取り込み、

それを専用機に落とすやつだ。


音楽の専用機だけれども、

正直、音質の良し悪しはわからない。

それほど今のiPhoneは優秀なのだろう。


例によってAmazonプライム会員なものだから、

ある程度は新しい音楽もサブスクで聞ける。


それを使うこともあるけれど、

何故だか音楽に対して私はアナログ寄りなのだ。


たまにレンタルショップに出かけては、

DVDと共に音楽CDを借りてPCに取り込む。


データはデータでも手元においておけるデータ、

それはまた質の違うものなのだろう。


Amazonプライムビデオでは何度か経験したけれども、

途中まで見ていたシリーズが、

少し間を開けて続きを見ようとすると、

いつの間にか配信停止になっている。


それに直面した時の「やるせなさ」は、

なんとも言えない脱力感をもたらすものだ。


サブスクリプション

 

ビジネスソフトに始まって、
本や音楽や映画だけではなく、

外食にエステやサロン、はたまた傘まで、


仕組みさえ作ってしまえば金のなる木、

ビジネスモデルとして優秀だから、

あらゆる業界がこぞって参入してきているようだ。

 

だけれども「サブスクリプション」ってものに、

危険な匂いを感じているのは私だけだろうか。


コロナ禍になってから、

ベーシックインカム」なんて声が高まってきたものだからさ。


「健康で文化的な最低限度の生活」

それは簡単に金額で推しはかれる時代になるのかもしれない。


これからはさ。

生活保護もサブスクで提供します」

だなんてさ。


それはそれで公平性を保てるのかもしれないけれども、

なんだか「家畜」のように飼い慣らされている気がする。


「掴み取る時代」から、

「与えられる時代」へ、


ジョージ・オーウェルの『1984年』に描かれるような、

ビッグブラザーが統率するディストピア

今の世の中はそういうものに近づいているんじゃないのかな。


当然「ルールを作る側」のほうが強いのだ。


「与えられること」に慣れすぎて、

どんどんスポイルされてしまうと、

ほら「愚民ども」の出来上がり、


ファシズム」ってものは、

そうやって出来上がるんじゃないのかな。


みんながみんな同じように同じ金額で、

同じサービスを受けるようになる。


そういう世の中になれば、

思想統制なんて容易いものだ。


最近読み出した、

伊藤計劃『ハーモニー』

この世界観が面白い。


時代が進みすぎて全人類がスポイルされた近未来、


「いじめ」なんて存在せずに、

全員が道徳的でいわゆる「いい人」


暴力や性描写のある文化は「過去の遺物」

「禁忌」として抹消されている。


「争い」などない代わりに「個性」もない。

医療は著しく発達して病気で死ぬこともない。

ただみんなが金太郎飴のように同じ考えで生きている。


ユートピア」なのか、

ディストピア」なのかわからない世界だ。


だけれども人類の目指している方向って、

きっと「こっちのほう」なのだろう。


「差別をなくそう」


そういう運動は起きているけれども、

「国家」や「人種」なんて枠組みはいまだに強固だ。


性別による役割もあいまいさを増しているけれど、

生物としての本能的な仕組みはそうそう変えられない。


簡単には進まないだろうけれども、

人類は間違いなくそちらの方向に引き寄せられている。


「見えざる独裁者に支配される時代」に向かうのか。

それとも「パーソナリティを突き詰める時代」に進むのか。


今って割と時代の転換期なんじゃないかな。


さてAmazonプライムデーだ。

なにやらAmazonの宣伝みたいな記事になってしまった。


そんなことを考えながらも、

私はAmazonに飼い慣らされているのだ。