特にこだわりがあるわけではないけれど、
もちろん円盤を直接読みこむ前時代のものではない。
PCにCDを入れてアプリに取り込み、
それを専用機に落とすやつだ。
音楽の専用機だけれども、
正直、音質の良し悪しはわからない。
それほど今のiPhoneは優秀なのだろう。
例によってAmazonプライム会員なものだから、
ある程度は新しい音楽もサブスクで聞ける。
それを使うこともあるけれど、
何故だか音楽に対して私はアナログ寄りなのだ。
たまにレンタルショップに出かけては、
DVDと共に音楽CDを借りてPCに取り込む。
データはデータでも手元においておけるデータ、
それはまた質の違うものなのだろう。
Amazonプライムビデオでは何度か経験したけれども、
途中まで見ていたシリーズが、
少し間を開けて続きを見ようとすると、
いつの間にか配信停止になっている。
それに直面した時の「やるせなさ」は、
なんとも言えない脱力感をもたらすものだ。
ビジネスソフトに始まって、
本や音楽や映画だけではなく、
外食にエステやサロン、はたまた傘まで、
仕組みさえ作ってしまえば金のなる木、
ビジネスモデルとして優秀だから、
あらゆる業界がこぞって参入してきているようだ。
だけれども「サブスクリプション」ってものに、
危険な匂いを感じているのは私だけだろうか。
コロナ禍になってから、
「ベーシックインカム」なんて声が高まってきたものだからさ。
「健康で文化的な最低限度の生活」
それは簡単に金額で推しはかれる時代になるのかもしれない。
これからはさ。
「生活保護もサブスクで提供します」
だなんてさ。
それはそれで公平性を保てるのかもしれないけれども、
なんだか「家畜」のように飼い慣らされている気がする。
「掴み取る時代」から、
「与えられる時代」へ、
ジョージ・オーウェルの『1984年』に描かれるような、
今の世の中はそういうものに近づいているんじゃないのかな。
当然「ルールを作る側」のほうが強いのだ。
「与えられること」に慣れすぎて、
どんどんスポイルされてしまうと、
ほら「愚民ども」の出来上がり、
「ファシズム」ってものは、
そうやって出来上がるんじゃないのかな。
みんながみんな同じように同じ金額で、
同じサービスを受けるようになる。
そういう世の中になれば、
思想統制なんて容易いものだ。
最近読み出した、
伊藤計劃『ハーモニー』
この世界観が面白い。
時代が進みすぎて全人類がスポイルされた近未来、
「いじめ」なんて存在せずに、
全員が道徳的でいわゆる「いい人」
暴力や性描写のある文化は「過去の遺物」
「禁忌」として抹消されている。
「争い」などない代わりに「個性」もない。
医療は著しく発達して病気で死ぬこともない。
ただみんなが金太郎飴のように同じ考えで生きている。
「ユートピア」なのか、
「ディストピア」なのかわからない世界だ。
だけれども人類の目指している方向って、
きっと「こっちのほう」なのだろう。
「差別をなくそう」
そういう運動は起きているけれども、
「国家」や「人種」なんて枠組みはいまだに強固だ。
性別による役割もあいまいさを増しているけれど、
生物としての本能的な仕組みはそうそう変えられない。
簡単には進まないだろうけれども、
人類は間違いなくそちらの方向に引き寄せられている。
「見えざる独裁者に支配される時代」に向かうのか。
それとも「パーソナリティを突き詰める時代」に進むのか。
今って割と時代の転換期なんじゃないかな。
さてAmazonプライムデーだ。
なにやらAmazonの宣伝みたいな記事になってしまった。
そんなことを考えながらも、
私はAmazonに飼い慣らされているのだ。