優勝のかかった巨人との3連戦、
そして巨人・岡本和真とヤクルト・村上宗隆、
若くしてチーム不動の4番打者、
そんな2人のタイトル争い。
最下位のスワローズ、
意地を見せるための大一番だったはずだ。
結果としてこの3連戦は、
スワローズファンにとって厳しいものだった。
3タテこそ防ぐものの、
2敗1分、
優勝を見せつけられるのはタイミング的に既定路線だが、
投手陣は岡本に打ち込まれ、
村上は3試合ともノーヒットと完全なる沈黙、
4番の働きが勝敗に直結する結果となった。
残り7試合を残しているが、
村上のタイトル獲得は、
この3試合でかなり厳しいものとなった。
弱冠20歳にしてここまでやってきた村上だ。
本当によくやっている。
ファンにとって、
今年の後半の楽しみは村上くらいしかなかった。
そう言っても過言はないだろう。
だけれども、
この大一番でこれはいけない。
高津監督の厳しい激を受け止めて、
チームの勝敗に対して誰よりも悔しさを表に出す。
キャプテンシー抜群で、
ピンチには誰よりも先にマウンドに駆け寄る。
ファンの誰もが村上のことを、
次のチームリーダーだと思っている。
だからこそ、
「この3連戦の村上はいけない」
敢えてそう言わせてもらおう。
タイトルに書いたように、
巨人との間には大きな差がある。
それを3つ挙げてみる。
ここぞの一打でチームを勝利に導く。
今年の村上はそれができていたけれど、
タイトルのかかる最終盤に来てのブレーキ、
高卒3年目で、4番に座って1年目だ。
そこにはやはり「経験不足」
というものがあるだろう。
「4番の経験の差」
これが「一つ目の差」だ。
そして投手陣、
巨人は村上に対して徹底マーク、
ワンポイントで高梨をぶつけたり、
コースの厳しさは「こいつにだけは打たせない」という気概があった。
一転してヤクルト、
打たれてはいけない選手にとにかく打たれる。
エース小川にして岡本、丸に連続本塁打を浴びたのが象徴的だ。
巨人のエース菅野は悪いながらもきっちりとまとめた。
今年は14勝2敗と「ここぞで勝てる」
そんな印象をがっちりと固めている。
初戦の引き分けで優勝を決めた巨人、
その翌日のエース対決、
巨人にとっては気の緩む一戦だ。
それでも勝てない。
かたや打たれてはいけない打者に打たれて、
かたや悪いながらもきっちりと勝ち星を掴む。
2013年に新人王を争った二人、
その時は小川に軍配が上がったけれど、
今では菅野に大きく水を開けられてしまった。
「エースの差」
これが「2つ目の差」だ。
5位広島との差は大きく広がって11ゲーム、
圧倒的な最下位だ。
もはやチームとして負け癖が付いている。
8,9,10の3か月でのヤクルトの勝ち星が、
ソフトバンクの10月分の勝ち星に満たない惨状らしい。
他球団のファンからは、
「村上の唯一の弱点は所属球団だ」
とバカにされる始末、
返す言葉もない。
「チームを強くしたい」
そうやってベンチ、フロント、オーナーが一丸となってやってきた巨人、
ソフトバンクにしたってそうだ。
ヤクルト球団にはそういう意識が足りないんじゃないかな。
批判の目はベンチに向いている。
高津監督の采配が不可解だとか、
生え抜きの無名選手ばかりをコーチにしているだとか、
それはあるのかもしれないけれども、
もとをただせばフロントだ。
「球団がチームを強くしようとしていない」
そこに大きな差があるんじゃないのかな。
これが「3つ目の差」だ。
おそらくヤクルト本社からすれば、
球団が勝とうが負けようが収益は変わらないし、
下手に強くなれば人件費はかさむ。
「球団を所有していること」がステータス、
そういう旧態依然とした考えなのではないだろうか。
そんな状況ならば別に「ヤクルト」でなくてもいい。
強くする気がないのならば、
今はどうだか知らないけれど、
やる気のあった「ZOZO」などにでも売却して欲しいくらいだ。
横浜球団は「DeNA」に変わり大きく前進した。
旧態依然では何も変わらない。
今回のドラフトでは育成選手を4名と、
過去最多の指名をした。
これで前に記事にした謎の70人ルールは撤廃に向かうようだ。
球団の姿勢は変わるのだろうか。
弱いと言われるセ・リーグにして、
2年連続での圧倒的な最下位、
今のスワローズはファンとして、
入団してくれる有望な選手たちに申し訳なく思うレベルだ。
特に今年ドラフト4位の元山くん(東北福祉大)
大学No1ショートながらこの順位に不満の1つもないどころか、
「チームの日本一」と「世界一のショートストップ」
そんな目標を掲げる素晴らしい選手だ。
プロ野球の球団というのはさ。
それまで人生懸けて野球に打ち込んできた選手たちの受け皿だ。
今の選手たちはみんな素直だからさ。
「12球団OK」ってみんな言うけどさ。
一昨年は交流戦を制してリーグ2位、
5年前にはリーグ優勝しているからさ。
今はまだいいのかもしれないけれど、
これからは「ヤクルトだけは嫌だ」ってさ。
そう思われる球団になるかもしれないよ。
球児たちの「外れくじ」にだけはなってはならない。
変わらなければならないのだ。