「ねぇねぇ彼女~、これから楽しいことをしに行こうよ」
「嫌です!やめてください!」
そういうことではない。
漠然と「楽しいことがしたい」と思うのだけれども、
そもそも「楽しいこと」ってなんだろうか。
冒頭の例で言えば「欲望を満たすこと」と言えるだろうか。
確かに「性愛」の欲求というものは私にもあるけれど、
それが満たされたところであとに残るのは虚無だ。
それは孤独な演習を繰り返す中で感じていること、
最近ではパートナーがいたところで満たされる予感が少しもしない。
今の私は別の風車を動かし始めたからだろうか。
どこか「欲求」というものが、その源泉から消し飛んだかのように湧いてこない。
ドラマを見たり、アニメを見たり、読書をしたり、
ゲームをしたり、本を読んだり、
私は空いた時間のほとんどをそういうことに使っている。
バーチャルリアリティを疑似体験しているのだ。
それは私の欲求とダイレクトに繋がっているのだろうか。
「人生をやり直したい」
そう思っていた頃のほうがマシだったと思うくらいに、
どこか「気力」は湧いてこない。
困ったものだ。
自分で回した風車はグルグルと回ったままなのに、
グルグルグルグル、
少なくとも私の手を離れるまでは責任を持たないと、
ステークホルダーに迷惑をかけてしまう。
グルグルグルグル、
「風を起こしてみたら何かが変わるかもしれない」だなんて、
他人本位な動機で動かしては見たけれど、
何の結果も出る前に言いだした私は飽きてしまったのだ。
それどころか、億劫に思いながら「こなしている」だけ、
グルグルグルグル、
モーターでも積んでいたのだろうか。
風車はひとりでに動き出している。
もはや、目障りでうるさいくらいだ。
なんとも無責任なものだな。
例年5月は調子が良くない。
そんな時期に新しいことを始めるものではないな。
さて私はどこへ向かうのだろう。
そういう映画があった。
蝶の羽ばたく「些細な風」が勢いを増して、
遠く離れた場所で「サイクロン」に変わる。
風が指数関数的に勢いを増すというものだったように記憶している。
私は私が動かした風車から発せられる逆風に身を委ねて、
どこか遠くに運ばれてしまうのだろうか。
それもいいかもしれない。
ここではないどこか遠くへといけるのであれば、
それもいいのかもしれない。