ただ単に「満足のいく給与」を支払っていればいい。
当然それだけで働く動機になる人もいるけれど、特に今の若者はそれだけでは満足できなくなっているように感じる。
給与や福利厚生だけでは「生きがい」を感じることができないのだ。
「生きがい」
その最もわかりやすいものが「成長」
今までできなかったことができるようになる。
そういう「先に進んでいる実感」が人を虜にする。
だから企業は優秀な社員をつなぎ留めておくために、「成長できるフィールド」というものを用意する必要があるのだ。
人材確保に困窮する時代、
これから先はその流れに拍車がかかるだろう。
1)満足のいく労働条件
2)成長できるフィールド
ライフステージによってバランスの違いはあるだろうけれど、概ねこの2つを提供できてこそ「市場価値を高めようとし続ける」自立型の人財が辞めない組織となるのだろう。
優秀な人ほど与えられた裁量で課題を潰していく。
課題を与えられるよりも消化する速度のほうが早いと、仕事をしていても退屈を感じるようになる。
そうすると「面白くない」とこうなる。
外資系に勤める友人の話では、優秀な人ほど仕事を選ぶのは当たり前だという。
上司の指示であっても「退屈な仕事」は断ることができるそうだ。
もちろんそれだけの実績とスキルありきのことだろうけれど、
「言われたことをこなすだけ」
そういう仕事の仕方に慣れてしまうと、仕事や職場を選ぶことができなくなってしまうのだ。
窺うのは「上司の顔色」ではなくて「世界の動向」
自分の市場価値を高めるために必要な経験を見定めることが大事だ。
少なくとも私は会社に飼い慣らされるような働き方をしたくはない。
最近の新卒者なんかの話を聞いていると、そう考えている若者は多いのではないだろうか。
どこか世代に意識の格差を感じる。
私の世代はおそらくちょうどその格差の境界線にいるのだろう。
「社会は面倒を見てくれないのだな」って、
「自力で食っていくしかないのだな」って、
そういうことを若者たちは肌感覚で感じているのだ。
どんどん二極化は進んでいく。
「働く目的をどこに持つか」で、その先のビジネスライフは大きく変わっていくんじゃないかな。
私は職種は変わらないけれど、割とパラダイムシフトに近い転職を決意した。
私の経験として不足していた部分を補いつつ、強みを伸ばせると感じたからだ。
「常に市場価値を高める努力」は続けたい。
そうすることで「仕事を選ぶこと」ができるようになるから、
「面白い仕事」は「できる人」に回ってくるもの、
社会は格差を是正するつもりなどないのだ。
そのことをよくよく理解して働かなければならないし、企業も社員に対して価値を提供し続けなければならない。
どちらにとっても大変な世の中だ。
人を確保できなければ淘汰されてしまうし、職を確保できなければ生活できないのだから、
「働きがい」というものを求める労働者が増えている。
それは終身雇用崩壊に対する自衛策なのかもしれない。
そう考えると、世知辛い世の中だ。