共感力(エンパシー)と対になる他人の感情にアプローチする要素として、「メンタライジング」というものがあるようだ。
これは、相手の感情を理解することのできる力、を指す。
共感力が高くても、メンタライジングが低いとアスペルガー症候群の傾向が強く、逆に共感力が低く、メンタライジングが高いとサイコパスの傾向が強いそうだ。
社会で生きていくために必要な要素が多すぎて訳がわからなくなる。
細分化しすぎな気がするが、求められる能力をピンポイントで意識することができれば、その能力を身につけるための不要な時間を削減できるのかもしれない。
さて、メンタライジング。
今の時代のリーダーは、人並外れた調整力を求められる。
個性を尊重することを求められる時代で、多様な個性を持つ部下のニーズに応えつつ成果を上げなければならないのだ。
そのためには、当然、人の感情を理解するための力が求められる。
そこの力が不足していると部下はついてこなくなるからだ。
サイコパスの気質を持つ人は、社会的な立場が高くなりやすい傾向だという。
それは、相手の感情を理解しながらも、相手への共感力が乏しいから、自分の得になるように相手をコントロールする力に長けているからだろう。
相手の感情を理解できれば、それを負の方向に進めることはしない。
そればかりか、正の方向、すなわち相手を気持ち良くさせつつ、自分に都合の良い方向に進めされることができるのだ。
結果として、相手からよく思われた上に自分も得をする。
映画『悪の教典』では、生徒を虐殺するサイコパスの教師は、表の顔をしているときは生徒から慕われていた。
その裏では、ただ自分が楽しいからという理由で生徒を殺す、快楽殺人者なのだ。
話が逸れた。
「メンタライジング」
相手の好感度を掌握しつつ、社会で認められるために大事な能力となる。
それは、経験を積むことで身につけることのできる能力のようだ。
自分が多くの経験を積んで、多くの感情を経験すれば、同じような場面に遭遇した他人がどのような気持ちになるのかを理解することができる。
後天的に「メンタライジング」を高めるためには、多くの苦労をすることが大事なのだろう。
苦労した結果、それが成果に結び付かなかったとしても、経験が無駄になることはない。
そう信じて、成功体験も失敗体験も前に進むための糧としたい。
急に人が変わったように超絶スキルを身につけるというような、異世界転生もののアニメのようなことは現実にはないのだ。
地道にコツコツと経験を積み重ねるしかない。