「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

「食べたい」という欲求

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生まれたばかりの娘は、お腹が空くと泣く。

時には「この世の終わりか」と思うくらいに激しく泣く。

当然、食べ物を与えてもらえないと死んでしまう。

だから、これは乳児が生きるために必要な機能なのだ。

 

この機能がなかったならば、親は乳児に食べ物を与える機会を逸してしまう。

そうなると栄養が不足して、発育に悪影響を及ぼすリスクがあるのだ。

 

社会に適応できない種は淘汰されてきた。

私たちホモ・サピエンスは、その生存競争を生き抜いてきたのだから、それは生きるために合理的な機能を備えているはずだ。

 

「食べたい」

当然のことながら、それは私たちが生きるために必要な本能なのだ。

よく長生きの秘訣を聞かれた高齢者がインタビューで答えている。

「よく食べることが長生きの秘訣」と。

 

私にも少なからず現れた感覚だが、歳をとると徐々に食欲が減退していく。

おそらくそれは消化機能が衰えるからなのだろう。

20代のうちは脂っこいものを好んで食べていた。

焼肉ではカルビが主食だったはずだが、30代も半ばを過ぎてくると、脂っこいものを体が受け付けにくくなり、ハラミが主食になってくる。

 

「食べたいから泣く」

生まれたばかりの娘の姿を見て、改めて食べるということが人間にとって重要であることを学ぶ。

 

飽食の時代を生きる私たち。

さらに娯楽は多様化している。

だから、食以外にも時間を割きたいと思うことは山ほどあるのだ。

私たちは、食に対する感謝を忘れてはいないだろうか。

 

食べられることは当たり前ではない。

元々私たちは、大きな声で泣きながら食を求めるくらいに、食に対して貪欲だったのだ。

 

成長と共に得るものもあれば、失うものもある。

生まれたばかりの娘は、私が失ってしまったものを思い起こさせてくれる。

それは、人間存在の本質に迫りたいと考える私に取って、大変ありがたいことなのだ。