子供が生まれてからは特に1日が早く感じる。
子供中心の生活。
時間が溶けていく。
何をするにしても、子供ありきで私たち夫婦の行動は決まっていくのだ。
子供が泣いたらご機嫌を伺いにいって、ミルクかオムツか抱っこなのかを確認する。
そのどれでもなく泣き止まない場合はお手上げだ。
あらゆる手を尽くしてご機嫌をとる。
自己主張をすることが仕事で、周りの様子など考えることはできない。
このような生き物を育てていくということは、大変であると同時に大きな学びになる。
今の時代は聞き分けが良くないと社会から抹殺されていく時代だ。
現に私の周りでは、聞き分けの良い優秀な若者ばかり。
1億人のカメラマンと記者に囲まれて生きている時代だから、少し道理的に誤った行為をするだけでも、社会的に抹殺されるリスクは昔の何十倍も高くなった。
だから、乳児のようなどうりの全く通じない存在と触れ合うことは、ある意味で新鮮だと感じる。
なぜ泣いているのかわからない。
まともにコミュニケーションを取ることもできない。
解決策は全てこちら側で用意しなければならない。
その解決策が気に入らない場合、どこが気に入らないのかのフィードバックすらない。
大変な訓練である。
人間とは本来こういう生き物なのだ。
成長するに従って、集団の中で生きる術を学ぶ。
それを上手くできない人は淘汰されていく。
そういう残酷なシステムの中で生きているのだ。
どんどん全体主義的な方向に進んでいく。
だから、今の時代を生きる人にとって、育児はとんでもないストレスなのかもしれない。
少し調べれば、情報はいくらでも手に入る時代だ。
育児を経験する前に、育児の大変さを頭では理解できる時代。
それは少子化が進むわけだ。