「辛いことの総量はみんな同じ、
だから苦しんだ人ほどあとになって幸せが来るはず」
そんな慰めよりも、
「これまでの業によって今の自分がある」
そっちのほうがよほど納得できる。
都合の良い解釈に頼って、
それを慰めにしたところで惨めになるだけ、
「自分に同情するなんて卑劣なやつのすることだ」
「よくやった。よくやった。本当によくやった」
人に声をかけるならばいい。
だけれども現状に満足もしていないのに、
自分に言い聞かせるように、
自分で自分を慰める。
精神的自慰行為ってやつだ。
「それって妥協なんじゃないの?」
そう問いかけられたならば、
間髪入れずに「YES」と答える自信がある。
「生きるって苦しい」
20代までは大して苦労なんてしていなかった気がする。
信じるものがあって、
それを抱えながらがむしゃらにただ真っすぐに生きてきた。
だけれどもそれを失ってしまった。
どうにもならない現実に直面して、
なんとかその分厚い岩盤を突き破ったけれど、
見える景色は変わってしまった。
「人生はキレイごとじゃない」
命に宿る無限の可能性を信じ切って、
一生を終える人ってこの世にどれだけいるのかな。
子供の頃は誰しも信じることができる。
それが子供の特権であり子供らしさ、
いわば聖域だから奪ってはならないもの、
しかし徐々に、
苦しい思いをして、
世界は広がっていって、
「幼稚な全能感」
そういうものは消滅する。
そのさきの人生のほうがうんと長い。
そしてそのさきの苦しみのほうがずっと多い。
「レジリエンス」
折れない心よりも、
しなやかな心、
私の場合は30を過ぎてから、
一気に苦しみが押し寄せてきた。
これから先も苦しいことばかりだと思う。
だけれども生きるのだ。
その苦しみをしなやかに受け止めて、
耐えて、耐えて、最後は反動で押し返す。
それくらいにはタフじゃないといけないな。
「失ったものばかりを数えるな。
お前さんに残されたものは何だ」
私には何が残っているのかな。
これまで積み重ねてきた「経験」かな。
それとも築き上げてきた「理想」かな。
「仲間がいるよ」
確かに仲間はいる。
だけれどもこればっかしは、
自分で掴み取らないといけないのだ。
「生きる目的」
生きるって苦しいことばかり、
それに耐えることが生きる目的なのかな。
そんなはずはないな。
その先にあるものに目を向けないと、
靄がかってかすかに見える、
その先にあるものを確かにするために、
我々は生きているのだ。
その先に見えるものはなんだい?
「Laugh Tale(ラフテル)」
『ONE PIECE』における旅の終着点、
その由来が明らかになった。
「生きる目的」なんて、
あってないようなものだ。
最後にバカみたいに笑えればいい。
一人残らずバカみたいに大口を開けて、
心の底から笑い合えればいい。
人生なんて笑い話、
それくらい気楽に生きたいものだ。