「童貞のまま結婚した男」の記録

元「30代童貞こじらせ男」 30代後半まで童貞で、そのまま結婚した男の記録です。

自分に呪いをかけないで、逃げてしまいなさい

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ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ

その中で印象に残るシーンがある。

 

「恋愛なんて割り切った関係で男女のどちらが相手を食い物にするかのゲーム」と豪語する、

そんな内田理央さん演じるポジティブモンスター、

 

そのポジモンに「おばさん」と煽られた、

石田ゆり子さん演じるバリキャリ高齢処女のゆりちゃんは、

落ち着いて切り返す。

 

「今あなたがバカにしたものは未来のあなたなのよ。

自分に呪いをかけないで、逃げてしまいなさい」

 

ポジモンはあえなく撃沈、

 

最近「逃げ恥」を見たわけではないけれど、

このシーンは何故だか頭に残る。

 

人は自分でも気がつかないうちに、

自分に呪いをかけているのかもしれない。

その一つはとてもポピュラーなものだ。

 

「努力は必ず報われる」ってやつ、

 

そうあってほしいと望むけれども、

決してそうではない。

 

人は時間をかけたものほど肯定したがる。

 

だから努力の先に結果が伴わなかったとしても、

ありとあらゆる手段を使って、

自分を納得させるのだ。

 

「知らなかったことを知ることができた」

「失敗から学ぶこともある」

「次につながる」

 

確かにそうかもしれない。

それを次への原動力にすることは素晴らしい。

 

だけれども、

それを無理やり自分に言い聞かせてしまったら、

そこから先の行動にバイアスがかかってしまう。

 

何をするにしたって、

過去の「痛み」に紐づけてしまうのだ。

 

そうなってしまうと、

ずいぶん長いこと引きずることになる。

 

何でもかんでも関連付けて、

いつまでもその「痛み」を意識し続ける。

自分から「痛み」にしがみつくようになる。

 

私の中にもある。

そんな厄介な「痛み」ってやつ、

その感情をうまく捨てたいものだ。

 

「理想」や「信念」は諸刃の剣なのだ。

 

多くの場合はそれが武器になるけれど、

それが「呪い」に変わることもある。

 

自分で自分を縛り付けて、

自分の脳をだまし続けて、

心の声に耳を傾けないでいると、

走ることをやめられないで、

最後は力尽きてしまう。

 

気を付けなければならない。

この世の中に「絶対」と言えるものなんてないんだよ。

 

だから誰からどう思われようとも、

自分で自分をマネジメントしてあげないといけない。

 

そういった意味で、

冒頭のゆりちゃんの返しは見事だ。

 

相手の敵意を受け流して返り打つと同時に、

自らの尊厳をしっかりと守っている。

 

最後は年下のイケメンと結ばれる。

こういう人には幸せになってほしいものだ。

 

ちょっと待て、

「こういう人には幸せになってほしい」

それもバイアスだな。

 

「こういう人は幸せになるべきだ」って、

私は私に「呪い」をかけている。

 

その呪いを解く方法はおそらく、

逃げ出してしまうことなのだろう。

 

努力できることは素晴らしいこと、

だけれども逃げ道は作っておかないといけない。

 

自分で自分を追い込んで退路を断つ、

 

「こうでなければならない」

「自分はこんなところで終われない」

「まだまだ努力が足りない」

 

そうやって、

知らず知らずのうちに呪い殺されてしまったら、

元も子もないのだから、