「夜行性」
ファンがそう呼ばれる3組のアーティストたち、
「YOASOBI」
「ずっと真夜中でいいのに。」
そして「ヨルシカ」
グループ名に「夜」を入れていることや、
その少しダークな作風からそう呼ばれているようだ。
前にも記事にしたけれど、
私の推しは断然「ヨルシカ」だ。
他の2組も独特の世界観があって面白い。
だけれども「ヨルシカ」は、
「心の叫び度」と言うべきだろうか。
「心のさらけ出し方」が群を抜いてぶっ飛んでいる。
音楽に限らずアーティストというものは、
少なからず「心をさらけ出すこと」で作品を生み出す。
そこに「守り」はない。
だから知名度がないところからでも、
「共感」を生み出すのだ。
いわゆる「刺さる」という表現だろう。
そこからアーティストの「背景」に興味を持ち、
調べることで親和を深めていく。
そうやって「ファン」というものが生み出される。
その意味で私には、
去年の「あいみょん」に続き、
今年はこの「ヨルシカ」が刺さった。
続けて「刺さる」ことは珍しい。
「いいな」とは思っても、
刺さるアーティストは少ない私、
少し前の「ゲス乙女」以来だろうか。
どうやら型にはまらないぶっ飛んだ表現、
私にはそんなアーティストが「刺さる」ようだ。
さて、表題作のアルバム、
これは名盤だ。
タイトルが「盗作」って時点で、
かなりぶっ飛んでいる。
さらにアルバム中の表題曲『盗作』
少しネタバレをすると、
「自分は曲を盗んだ」という独白だ。
「盗んだ曲をチヤホヤするファンたちは何もわかっちゃいない」
「名曲を盗んだのだから売れるのは当たり前だ。実力じゃない」
みたいな葛藤を綴る。
実話かどうかは知らないけれど、
このテーマで曲を書くこと自体がぶっ飛んでいる。
代表曲『だから僕は音楽を辞めた』にも通じるけれど、
楽曲を担当するn-bunaさんは、
ものすごく苦しみながら音楽を作り上げているのだろう。
いや、「作り上げる」という限定的なものではない。
ものすごく苦しみながら「音楽と共に生きている」のだろう。
ボーカルsuisさんの絞り出すような声と相まって、
曲からはそれをヒシヒシと感じる。
多くの場合は売れるにしたがって、
作風が「人間賛歌」に変わっていく。
毒が抜けてしまうのだろうか。
「社会の求める形」にフィットせざるを得なくなるのだろうか。
「ミスチル」は活動休止をしてから、
自らを納得させるように徐々に作風が変わっていった。
「あいみょん」の表に出る曲は、
もはやほとんどそんな感じだ。
「人間賛歌」
それが悪いわけではない。
むしろその方が広く親しまれるのだろう。
それも一つのカタチ、
というよりも、それがスタンダードだ。
だけれども「ヨルシカ」
彼らがそうなる姿は想像できない。
どこかで作風は変わるだろう。
CMでも流れるようになった。
映画とのタイアップもした。
これからメディアへの露出は増えるだろう。
もしかしたら顔を出すこともあるのかもしれない。
彼らがどのように変化していくのか。
そしてその変化に対してどのように向き合うのか。
今からとても楽しみだ。
爆弾魔(cover)
思想犯
レプリカント(cover)
花に亡霊
盗作