4年ぶりに連載再開して、コミックス37巻が発売されたものだから、おさらいの意味で、『HUNTER×HUNTER』を読み直している。
キメラアント編の最後から始めたけれど、やはり面白い。
ゴンとジンとの出会いのシーンは秀逸だ。
ハンターとして、どこまでもまだ見ぬ世界を追い求める、自由でいたい父親であるジン。
客観的に見たらダメ親父ではあるが、息子であるゴンは、その父の生き様を尊敬し、同じ道を歩むことになる。
そして、ゴンが物心ついてから初めて出会った親子。
父は息子にハンターとしての矜持を語る。
そして、自分の生き方を変えることなく、決して息子に無理強いするでもなく、ありのままの言葉で語る。
過ごした時間ではない。
同じ目的を共有できているかどうか。
絆の深まり方は、一つではない。
そんなことを学んだ気がする。
今の時代は、インフルエンサーと呼ばれる画面上の人たちに大きな影響を受けて生きる時代だ。
「生き方」に筋が通っていれば、会ったことはなかったとしても、憧れとなり、目標となる。
時代は大きく変わった。
家族の在り方も一つではないのかもしれない。
人の残酷さ、そして人の心の単純さ。
心の機微を見事に描いている作品だ。
冨樫義博氏は、間違いなく天才なのだろう。
これから物語がどのような展開を迎えるのか。
まだ新刊に追いついていない。
時間はないはずなのに、読み出したら止まらなくなってしまう。
読み返す時期を間違えたかもしれない。
しかし、新刊を読むにあたって、前の間を読み返さないと、話を全く覚えていないのだから仕方がない。
このまま、連載が続くのであれば、私に取っては大きな楽しみだ。
おそらく少年ジャンプで追うことは無いだろう。
ジャンプを読み続けるには、あまりにも歳をとりすぎてしまった。
『ONE PIECE』と『HUNTER×HUNTER』が終わったら、私は漫画を卒業することになるのだろうか。
新たにコミックスを買うという未来は想像できない。
子供が生まれることになり、子供が買うようになったならば、もしかしたら一緒に読み出すのかもしれない。
私と漫画との関係は、ここ数年で急速に冷え込んでいる。
アニメを見る機会の方が増えたくらいだ。
『HUNTER×HUNTER』がいつまで続くのかはわからないけれど、納得のいく形で終わってほしいということは、全てのファンの願いだろう。
冨樫義博さん、よろしくお願いします。